2010-01-01から1年間の記事一覧

十日目の夢

狂人は狂うのが解る時の恐怖で狂うのだ 壊れてしまうのが幸せだと銃口を咥えても フラッシュバックの恐怖に引金に指も掛けられない 貴女の笑顔は引金を引こうとしてるのか? それとも押さえていてくれているのか? 十日目に貴女の夢に苛まれなくなっても こ…

オカサレタ

貴女に浮かれた体温はクリスマスに爆発しました 高熱に慄きながら眠りに就くものの 家族の中にありながら、私は孤独なのです 一人、熱に魘されるのも一興かと思えば 夢の中では貴女の甲斐甲斐しい膝枕です 夢でも現実でも私の弱弱しい姿です 私は今まで以上…

世界一の夜明け

幸せの鳴り止まない朝、中国人が呟きかける 「マッサージ、サンゼンエン」 売女に心を許す様な隙間はすでに埋まり どんなに重い荷物を持っても軽やかなステップが止まない 私はどんな中国人より素晴らしい中国人を知っている 私はどんなスープより温まる笑顔…

何もない世界

耳が痛い時は耳がなくなればいい 目が痛い時は眼がなくなればいい 言葉の出ない時は口がなくなればいい 頭の痛い時は頭ごと捥げてしまえばいい 貴女の事を想う時は貴女がいなくなればいい そうすれば五感を総て失う事が出来るのだ

冬の雨水

雨は私のスキップを止める理由にはならない 穴ぼこだらけの靴でスキップをし 氷雨でいくら足が凍えようとも 足は上下運動を繰り返すのだ 私の足がなくなればいいのだ 跳ねる私のリズムに合わせて気持ちは どんどんと膨れ上がっていくのだ 昔は歌えなかった歌…

弱虫

踏み切りの呼んでいる朝の再来だ もう貴女の夢は見たくない 私に劣情以外の感情を気づかせてくれた貴女を 穢してしまう劣情に溢れた夢は見たくない 私の心の半分は貴女の周りを飛び回り 貴女を照らしている電球だ 残りの半分は光の群がる黒い蛾なのだ 光と燐…

ありがとうございます

缶の中にあったのは安い酒ではなく 私の安っぽい本当の言葉でした 強くなりたいのに弱らないと 言葉すら贈れないのが私なのに 帰り際の小包が携帯電話の中で笑っています 目白通りのスキップは何処までも止まらず 鼻歌混じりに涙も混じり混沌とした明け方に …

君と虎と魚たち

今日は夢現で水族館に行ってきたのだ 虎に跨がった貴女と水中トンネルを歩く しかし隣にいるのは私だったのか? マジックで顔を塗りつぶされていたのだ 私ではないし、貴方でもないし、誰でもないのだ 大水槽でジンベイザメの出産を見て 輝く貴女の顔が脳裏…

KeyWord

言葉ほど煩わしいと思った物はない 何時でも其処かしらに溢れ 何かしらの言葉は当てはめる事ができた 私は今、言葉を探している 扉を開けれる言葉を探している ただ一つだけ何処かにあるはずなのに 溢れ出てくる言葉の中には見当たらないのだ もしかすると帰…

僕は害虫です

夜の伝書鳩が耳元で囀りを繰り返す 貴女の声も貴女の声も貴男の声まで聞こえる 運ばれてきた言葉は脳味噌を割拠し 眼球から雑巾の様に絞り出されていくのだ 言葉は言葉を産み 言葉は言葉を殺し 私も何時かは言葉だけの存在になる 私の言葉は「胡蝶蘭」だけな…

黒い服がいいわ

妖怪の足音と供に脳味噌が桃色になっている 浮かれた口からは歌が流れ 浮かれた眼からは華しか見えないのだ ニヤニヤの止まらない夜明けを迎え 叶わぬと解る夢を見ながらの睡眠不足は 苦でもなんでもなく雨の中を走りたいのだ ヒロポンを打てる私は幸せだ 軍…

厨二病

過呼吸発作の起きる雨の中 相合傘の下で言葉は止まったのだ こんな小さな事で人間は生きれるのかと 疑心暗鬼の中で幸せを疑う私は きっと三国一の頭の悪い中学生だと ニャン2倶楽部の植えつけた知識に酔いしれ 電車の切り裂く空気よりも浮き足立っていると …

思い思いの重い思い

窓の外の月を追いかけて彷徨う夜 月は空にあるのになんであんなに近く感じるのだろう 月は手を振ると影を見せながら笑ってくれる 見えない裏側は私には想像もできない だから膝を抱えて月に兎が来る様に祈る事にした 私に兎はいらない 貴女にだけ兎がいれば…

プラネットウェイブス

暗闇の中で背中が大きくなっていくのはなぜだろう 暗闇の中で線路に押し付けられて動けないのはなぜだろう 暗闇の中で泣きながら貴女に謝っている夢を見た 私は月になれてもフォボスに慣れない事を知っている 周り回っても交われない事を知っている 私はどこ…

子守唄の夢

暗くなった部屋で背中が大きくなっていく 斜めの視線は背中に突き刺さる 私は股間にナイフを突き刺し返す 夜の押し問答がピークに達した夜明け前 私は天使に眠らされたのだ たとえ見た夢が悪夢であってもそれは天使の夢なのだ 自分に言い聞かせる目覚めは自…

腑抜け

嫌われようと生きてきた 嫌われようと隠語を発し 嫌われようと嘘をつき 嫌われようと肢体を触り 嫌われようと狂って生きて 嫌われようと淫らに生きた 私は今、好かれたくて堪らないのだ

私は豚です

貴女をレイプする夢を見た 綺麗なガラスを壊してしまう恐怖で目が覚めても 下半身は仮出所目前の模範囚なのだ 溺れても溺れても消えない泡が目の前を飛び交い 弱冷房車の寒さに体を震わせる私はなんと滑稽なんだろう アルコールが呼んでいた サイレースが呼…

樽の中の老婆

新宿で息をするのがこんなに辛く感じる朝 慰めに降った雨が心身を冷やしきる朝 独りになればいい独りになればいい 私の眼鏡は今の幸せを見るには度が低すぎる 走り去る幸せの黄色い電車に飛び込めば 泣いている貴方の姿が見えてしまう 蹲ったコンクリートと…

眼球の様な月

私には眼球は必要ない 物事を正しく見れていないのだ 私にだけカラフルに見える時も 私にだけモノクロに見える時も 私にだけ何一つ見えない時も 心を見れる眼鏡があればと眼科医に駆け込めば 「貴方は弱視ですよ」とにこやかに言われ 気付けば点字ブロックは…

恋路の闇

「僕はキチガイだから」 そっと呟いても電車は言葉を置き去り 悲しくなる埼玉県へと進んでいく 心の中で無常と何度も呟いては飲み込み 満員の人をベッドにうたたと眠る時間 あの娘の夢を見た 月が落ちて僕は死ねばいいのに 汚れてしまった脳味噌には星すら見…

石になる日

霞む視界 嘶く踏切 冷たい小石 私の居場所はここだと そっと眼を閉じた 足音が聞こえ足音に潰され 静かな生活が始まったのだ

五体満足不満足

なぜ私は心をぶら下げているんだろう なぜ私は知恵を持ってしまったのだろう 誰も見れず、何も知れずに白痴に生まれたかった 人間ではなく空に生まれたかった それか一粒の砂に生まれたかった 右耳も、左腕も、中指も、眼球もいらない 五体満足を是ほど煩わ…

鱶鰭

頭の中から大切な事がスポスポ抜けて行っている 地下道の風は地下ケーブルを通り私を蝕んでいく 穴凹だらけの顔面と下の世話ばかりする減らず口 きっとあの時の未来は地下室に置いていったのだ しかし風に乗ってやって来たのはまた地下道 風が脳味噌を乾かし…

捻れども捻れども

自分を欺くのには笑顔があればいい 他人も自分も誤魔化しながら生きれる覚醒剤だ 私はあれだけニコニコ笑っていたし 貴方もあれだけニコニコ笑っていたのに ほんの数時間で私の顔は濡れて力が出なくなる 池袋からの道は頭蓋を雨粒が穿ち さぁ寝ようと思った…

ムーブ

壁に張り付いた文字が動いている 動き回る紙くずは頭の中を埋め尽くす 這い蹲っていた私の頭上を英霊が通る あぁ、今日も笑いの金メダルだと 一円玉もない旅ガラスの生活から飛び立つのだ 私は動く 絵も動く 頭はもっと動く ここから旅立つ恐怖を誤魔化す様に…

誤読の朝

朝かと思えば昼だった 昼かと思えば夜だった 夜かと思えば朝だった 朝かと思えば私だった 私かと思えば神だった そこに勘違いはなかった ただ肌寒いだけだったのだ

シーシェパードは来ない

閂の外せないくらいの不器用さで開かずの扉を蹴っている ここから出るにはどうすればいいのかと焦っている内に 背中にへばりついたマッコウクジラの死骸が腐っていく 腐臭に塗れた4畳半は神田川のメロディーに乗せて朽ちていく 狂乱に怯え涙と涎でぐちゃぐ…

でんきう

月明かりとも日差しともつかない光が窓の外へ走ってゆく 私はどこに目線を送ればいいのかと空中散歩だ 窓からはピエロとも殺人鬼ともつかない光が差してくる 私にある光とは何だろうと考えれば地下の光だ 決して地上に射す事の無い地下の光だ 毒された私を浄…

ラマーズ

息も絶え絶えに眠れる夜を過ごしている 聞こえてくるのは換気扇の音、夜風の音、誰かの声 その度に表情を変える私は百面相なのだ 窓からは誰かが覗いているのだがきっとキリストだろう 神様の振りをしたホームレスの歌に脅えている私は乞食以下だ 脅えながら…

枯葉剤は飲み物です

脳味噌がどんどんと枯れていくのに 新たに植えつける知恵の苗もない侭だ いっそ砂漠にでもなってしまえばいいのにと 冷たい麦茶で喉を潤しながら説得力も無いのだ ピエロの様な物体は窓際でただ蹲る 窓際で誰かが笑ったかもしれない 折れたペン先、書けない…