シーシェパードは来ない

閂の外せないくらいの不器用さで開かずの扉を蹴っている
ここから出るにはどうすればいいのかと焦っている内に
背中にへばりついたマッコウクジラの死骸が腐っていく
腐臭に塗れた4畳半は神田川のメロディーに乗せて朽ちていく
狂乱に怯え涙と涎でぐちゃぐちゃの顔を鏡で見ながら
あぁ、そういえば今日は秋だと呟く
それだけの事で咲き誇る彼岸花を疎ましく思うのだ