2010-01-01から1年間の記事一覧

猫狂いちゃん

猫好き女が空に一輪だけ咲いていた 彼女と同じ色の灰色の空に紫の花を咲かせていた 守るべき物を砕きながら微笑む様は 脳無しのくるくるぱーその物だったが 己も白痴ではないかと見上げた空に 彼女こそヒューマン・オブ・ヒューマンだと 色キチガイのぶち撒…

さかな記念日

今日は魚になる日 ぎらつく鱗を見せ付けて 背鰭と尾鰭をくねらせて 広い海を当てもなく泳ぐのだ 不安定な精神は海によく似ている 限られた広大な広さの中で正解を探して泳ぐのだ 私はそんな海に漂い付いたら意味も無く狂いたくなる 目を虚ろに意味の無い事を…

大人の付き合い

虚しさは連なって電波を飛ばす 鳴らずの端末を見つめては電波が足りないのだと ロヒプノールをウィスキーで流し込むのだ 眠れぬ瞼を擦っては数字を叩き 開いた口を無理に塞いでは言葉を捜す 虚は蹲り 無は嘲り 私は唸る なぜに静かな生活が続くのか解らない…

こっそりと笑う

雨の一粒一粒に私が乱反射する朝 コンビニ帰りのビニール袋の中には赤子の首が二つ ずり下がってくるジーンズは昨日までの私だ こんなに物悲しい気持ちの生き物になるのは 生まれて初めての醜態だとスペイン風邪の願望が止まらない 欲求はどこまで行っても平…

私の横で猿の動きをする人間がいた 私は人間の脳しか持っていない 人間は生きているうちは人間でしかない 私は人間以外の脳味噌を持って生まれてきたかった 煙草の煙が雨の音に掻き消され 午前5時の腹痛は水溜りと一緒に揺れている 私は人間でしかないが脳味…

何もない

ここに何かがあるとすれば一握の無だ 私たちはそれを捏ね繰り回す粘土遊びをしているのだ 何も産まれず、何も作れず、時間だけの過ぎていく遊び 救い様がどこかあるとすれば無はとても綺麗な色をしているのだ

はるのおもいで

あさ、めがさめるとぼくはしんでいました あさといってもきせつはかわっていて ぼくがねたころにはさくらのはながきれいだったのに もうぜんぶはっぱになってしまってました ぼくはくさいにおいでめがさめました 「なんのにおいだろう?」 とおもったらぼく…

ビューチフルドリーマー

セックスと嘘が相成る夜に魘される夢は 自分の眼球を捜して四方八方を血眼で見ている 子供達が父親の肛門を美味しく料理する 右腕は今頃チカチーロの胃袋の中 左腕は今頃ダーマーの胃袋の中 校長先生の鼻は捥げてからもう3日も経っている 後ろで老女が世界で…

夕食後に二錠

起きていれば腹が減る 寝ていれば夢を見る 嫌な物からは逃げれずに八方塞だ 夢うつつに思うのは楽になる事 今ならば飛べると信じているのだが 翼は産まれる前には捥がれているのだ 最悪な朝に眠りについて見た夢は 朝飯みたいな夕飯を食べる夢だった 今日一…

土曜日の次の日

狂った道化師の歌う賛美歌が今日も聞こえる 雲の隙間から辛うじて灰色の濁った空が見える 濁った瞳に総てを見透かされてしまったようで 雨の降っている瞳を掌の中にそっと隠すのだ 思えば昨日は一日の大半を空中散歩で過ごした 今日は一日の大半を知恵の館で…

鯨と乳牛

私には何色が似合うのだろうか? 私には青色は似合うのだろうか? 思い始めれば限のない生活が続き 気付けば私は見えざるピンクのユニコーンになり キリストの振りをして総てを見透かしている それが太腿だろうがスカートの中だろうが 見えるものは総てを見…

振り返るな

脳味噌に集る蝿が金切り声で飛び回る夜 一人だけの雑踏が聞こえ薄目で闇を見つめている 私に右肩には韓国人が正座しているのだが 昔は左肩には丸刈りの小坊主がいたのだ チョビ髭を生やしたスカトロAV男優がいたのだ 心からの笑顔で拍手した今日の宵は がま…

社会の縮図

楽しくて楽しくて怖くて怖くて堪らない夢を見た 貧困に満ち溢れた中国の町並みを歩いている夢を見た 在学中と悪戯書きされた看板の向こうに大きな精神病院があり 私の足は自然とその中へ歩んでいったのだった 棟と棟の間を歩いていれば向こうから無数の奇形…

アギャパー

私は狂人では無いと決め付ける夜明けだ 今日は背中から羽の生えた駱駝が生まれてくる そして旭日旗を靡かせながら空へ空へと伸びていく 首の長い駱駝が二瘤か一瘤かも判らずに BGMに流れる「ぷろぐれっしぶ・ろっく」を聞いている 虹は必ず右から出るという…

僕は芸人です

目が覚めたら死んでいた もっと詳しく言えば私の精神は死んでいたのだが 体だけが宙吊りになって辛うじて生きていた 眠りとは自分が自分ではなくなる事 心だけが佐賀県に行ってしまい体は三重県だ 窓の隙間から覗けば見えるのはバイストンウェル ベースギタ…

二重拘束

私のこのイライラが何処から来るかと言えば 線路の向こう側にある自由の方角だ 決して目の前にある臙脂色の壁紙でもないし 後ろにあるサナトリウムの鉄格子の中でもない 汽車の轟音に掻き消される前に自由を見たい だが私の足は既に薬禍で朽ち果てているし …

日和見主義者

美人が水を浴びる様に飲んでいるのだが 私はそれを見ながらの自慰を楽しんでいる 打ち勝たねばならないのは私自身なのだが 自分の性欲にすら勝てない私を 縮こまった亀がじどりと見つめニヤニヤと呟くのだ 「お前は誰と戦いたいんだ?」 私は誰の血も見ずに…

カラスのハート

三匹のカラスがこの寒空の下鳴いています 何を求めて鳴いているのかは薄学な私には解りません ただ「カァカァ」という今にも空中に溶け出しそうな声が 私の頭上三メートルを秒速二センチメートルで通り過ぎ 阿呆なのは私なのだと私ですら涙を流すのです これ…

12円

新しい事を好きになるのは止めにしたい ただ目の前にある物だけを見つめて 諦めにも似た薄弱者の顔でニヤニヤと 日がな一日楽しむだけの毎日を過ごしたい もし貴方にキス出来なくなる日が来るなら それは朝の珈琲にテトロドトキシンを入れる様な スリリング…

START

フォークソングが頭の中に勝手に流れる朝 青春の始まりは今なのだと気分は始祖鳥だ 大切な人は何人でも何人でも私には出来る 五年前の私には大切な人は私だけだったのにだ タバコに火を点けて冷静を装おう狂人は 厭らしいニヤニヤ顔の止まらない寝台列車だ …