2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

動く

犬が一匹動いていた 生きているのでも 死んでいるのでもなく 動いていた 今日は胸が痛いので 貴方の事を思い出したくない

初老の紳士

何時もの如く生きていると 初老の紳士に話しかけられた 「貴方は死んでいるのと同然です」 それは稲妻のような衝撃だった しかし翌々考えてみれば 私の心臓はムソルグスキーの音楽のように 単調に動くだけであったので それは最早、回路でしかなく 回路は生…

真実への道

世界がもし僕に嘘をついているのだとしたら本当の世界は何処に在るのだろう。世界は僕が生まれてからまるで変わる様子もなく、目狂しく変わっていっている。僕は波に乗れないサーファーだ。波が何処から来るのかもわからず、砂浜を歩いては見切りをつけ、山…

梅毒の空

空の大きさの心を持ってしても 太陽の出るわけではない梅雨空に いつまでも執着してしまうのだ梅雨空の終着駅は夏の前日なのだ 心はいつまでも梅雨なのだ