揺り籠の中に赤子がいた オギャアオギャアと五月蝿く、やかましいのである なので私は赤子を揺り籠から取り出し床に叩きつけ殺した そして気づいた本当の私はまだ赤子なのであると

馬蹄の音が聞こえた 馬など走っているのだろうか そう思い窓を開けてみた 私の家の眼下には競馬場があった 七頭の馬が走っていた 私は蹄のパカパカと言う音とともに春を感じた

つぼみが開いた 狂い咲く桜 この季節には勿体無い 冬のピンクに為れば好いのだそういえば今日は何も食べていない さくらんぼの実るのを待つ事にしよう

朝の青さ 昼の黄色さ 黄昏の赤さどれも憎ましい

私の家にはベスという黒い犬がいた 中学生くらいの時に飼っていたのだ ある日、ベスの散歩に出かけると天空から天使が降りてきた ベスと私は目をキョロキョロさせながら天使が降りてきた事に驚いた 天使は私たちにこう言った 「貴方たちを千尋の谷に落としま…