鱶鰭

頭の中から大切な事がスポスポ抜けて行っている
地下道の風は地下ケーブルを通り私を蝕んでいく
穴凹だらけの顔面と下の世話ばかりする減らず口
きっとあの時の未来は地下室に置いていったのだ
しかし風に乗ってやって来たのはまた地下道
風が脳味噌を乾かし砂にして運んでいく
砂を溶かして静脈注射しても壊れていくだけ
しかし今は脳味噌が止まる瞬間ですら愛おしいのだ