2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

花散らしの雨

酒臭い息をパンパンに詰めた電車は 午前0時の帳を突き破っていった 刹那に私の携帯電話は鳴り響き 期待しないでよかったと嘘を吐いた 電車の中で私は顔のない顔をして リュックサックの隙間に見える 眼鏡面のサラリーマンの顔を見て あいつはこうなるのかと…

ホープ・ホープ・ホープ

私の手は電車の中で震えていた ただ嬉し泣きをする練習だけをしていた 帰ってくるのは赤紙だとわかっていながら 私は帰ってきてもただギターを弾いた 私はここで人生を終わらせる覚悟も出来た だがしかし隣の部屋のテレヴィジョンは 大きな声でダラダラと喋…

シャッターチャンスは逃げていく

私の右側には何かあったのだろうかと考えれば 金色の大学生が立っていた覚えがある その前には橙色の中学生も立っていたし 最近では眼鏡の芋が立っていた覚えもある 私から逃げていったのはそれだけではない 私は数多くの者を失い失い生きてきたのだが 武器…

地下鉄副都心線

三万光年の向こうには何万光年が待っているのか それだけを確かめてくて私は言葉を繰り返す ただここに立っているだけでも言葉はやってくるのに それから逃げるように山手線のホームを行ったり来たり スピードを置き去りにした列車が私を見ている 檻の中のラ…

トンダ

私は眠れずに此処に立っているのではない 私は眠らずに此処に立っているのではない どういうわけか意識だけはエウロパの回りを廻っていて それがただいま戻りましたと報告するまでの30時間を 有意義且つエレガント且つ悪趣味に世界を蹴っ飛ばしている 貴方…

国営放送

私は渋谷で大熊猫を見るお客さんを見ました そのお客さんたちは硝子戸の中でただただ微笑んでいました それを見た私はあの大熊猫が私の前世と同じ時に 生まれてきた明治大学生だと信じられなかったのです 私がここまで成長したというのにあの大熊猫は 私より…

葡萄弾カタパルト

夢遊病者の霊が浮遊霊となって全国を行脚しています そうなってしまった今、私は煙を吐き出す事しかできず 自分の知っていた事を知らなかったかの様に嘯き 口実だけはどうにかしようと一丁前の詐欺師です 珈琲を飲む貴方は暗すぎるので私も暗くなります 珈琲…

マンボウのジレンマ

私は三畳ほどの部屋で暮らしている 夜が明ければここには居なくなるわけだか 私の存在はもしかすれば此処でしか 存在できないものだとすれば此処から出た私は 煙の様にスーッと消えてしまうのだろうか? 蝋の様にトロッと溶けてしまううだろうか? 闇の様に…

エジプトの夢

63枚もあるカードを使っているのは何故だ? 4枚しかないカードを使うべきなのではないか? 四足のロボットから逃げた私は青い行き止りだ 何故あの記憶がここまで続いているのか解らないが クレオパトラはマイケル・ジャクソンだったのだ 私はドラゴンクエスト…

六杯のカルピス

果物籠に浅学非才の私は居てはいけないのだ 私のエチレンガスで全ての果物が腐ってしまう 蕩け出すのが線路の上でなかったのを 神に今、大いに放屁しながら感謝している なぜなら夜から朝までは半年前の蜃気楼が見えて こうなると私もヒララヒララと飛んで行…

忘れ去られた傘

午前三時の新宿はこれでもかと臆病風を吹かせ 耐え切れない私は煮え切らない部屋で無駄な時間を ワウギターの音色にあわせて過ごしたのだった 山手線はいつもの人間を丸裸にした物が乗っていて 埼京線に乗り換えてもそれは相も変わらず 赤羽で奇跡は乗り込ん…

睡眠ハルシオン

糞っ垂れの世界の為に終わらない歌を歌うのか? 新宿の3番と36番の部屋で眠ったのだが 私は一人ぼっちなのだと魚編に思ったのだ 眠りにつけば眠りにつけなくなるのは当たり前で 全てのVTRには人が写っているのを嘆き こま切れにして繋いでくるくるくると…

タッタッタッ

渋谷を走っているのは誰だ 原宿を走っているのは誰だ 新宿で眠っていたのは誰だ 私はといえば韓国人に成りたがっていたのだが 地下道を駆け抜けた時に落とした緑の欠片は 確実に私の寿命を二十八年は縮めているのだ ビデオカメラに写った高速移動天体を見た…

無数に巻きつけられた紙を見てしまった私は あの達磨の眼差しから逃れられないのだと嘆いている 享年は貴方がいたというのに今の私はマザコンだ 青春を盾に全てを乗っ取ろうと私が目論むと 貴方は何気なくさり気ない顔でニヤニヤとしたのだ あの顔が脳裏に焼…

予定表

32年の長きに亙ってお伝えしてきた私の人生も 今年で終わるのかと思えばホッとするのだが 見せ掛けの出来るインテリを演じたとの私は 十字架を背負わなければいけないとシコシコと 終わる当てもない編集作業を繰り返している あぁ、私はなんてぬめぬめした人…