2007-08-01から1ヶ月間の記事一覧

街は監獄

空色のジュースが流れるこの町で 誰かをずっと待ってるからずっと独りぼっちだった 街路樹の葉を毟り千切りバラバラにして遊んだ時に 誰かも今頃バラバラになって死んでいる 街はいつも以上に桃色日和な風を靡かせている あぁ、そうか、そういう事だったのか

青い存在感

空と海の区別がつかなくなった 飛行機が上の方へ落ちていった 何もないのに私だけがある 死ねばいいのにと思った時に 私は生きていて 生きててほしいと思った時に 私は死ぬのだろう だけど私はあの時すでに 死んでいたんじゃないか そんなことを思っていたら…

引篭もり

ドアから一歩足を踏み出せばそこは空です 何もない、ただ広がるだけの空です 私はそこに落ちなければならないのですが 明日もここに来なくてはならないので 億劫がって一人で体育座りをしながら 何もない、ただ広がるだけの空を眺めてます 夜になれば闇しか…

重力

微温湯とは程遠い水の冷たさを 君がおめおめと差す日傘に感じて 真っ赤に染まりあがった呼吸は 真逆さまに落ちていく 宙返りもできないまま メリー・ポピンズの様に 君は僕を僕は君を盲目に探している 羽を失ったオオスカシバは宙返りを 食卓の上にはいつも…

奇形神

眠りに就こうと部屋の電気を消した瞬間に 顔の二つあるシャム双生児のイエス・キリストが 私の脳裏をよぎったので誕生日のケーキに 火を点けることにします 吹き消すのは私でもキリストでもなく 年端の行かない森光子です

人として軸がぶれている

耳鳴りのしない部屋に住む幸せを私は知っている 今日も耳鳴りがやまずヘビーメタルのツーバスの音に 耐え切れずに首を括る紐を選っている ここはこの趣味の悪いネクタイがいいか 太りすぎて巻けなくなったベルトがいいか それともオーソドックスに荒縄か 思…

チクサクコール

不特定多数の嘘に心を惑わされ 貴方を疑ってしまう事が多々あります それは私自身が自分は泡沫候補の存在だと マイナス要素に薄々と思っている事なのです これからはプラス思考に私は公明党の人間だと 自分を偽りながら胸をはり毒されながら洗脳され マイナ…

「生きたいのかい?」と聞かれてバカ正直に 「はい、生きたいです」と答えるのは偽善者だ 「死にたいのかい?」と聞かれてバカ正直に 「はい、死にたいです」と答えるのは臆病者だ 思っているならば前者も後者も行動に移すべきだ

オットセイは中央線に乗って

街角から池田大作の賛美歌が流れてくるような時代に 私は貴女に会いたくなったのです 死んだ蝦蟇蛙の様な瞳をしている美しい貴女に 今すぐに会い私の冷めた熱視線を浴びせ溶かしたいのです ともあれそちらに向かおうと中央線に飛び乗ったのですが 中央線はど…

賢者は6人

人の命を軽視する事は善行だ 私の命の重さは消しゴムと同等 貴女の命ですら猫ほどの重さがあるというのに 私が自殺を試みる時に見せる笑顔は 決して誰のためでもない、関智一のためだ

イルカの雄叫び

反芻を繰り返した視線がくるりと イルカのジャンプを見せた これぞ現実逃避と呼ぶのに相応しい 国語辞典を開けばそこに 言葉が載っていることはわかっている だが私の愛している言葉は載っていないと勘繰り 私は辞典を開かずに鮫の餌になるのだろう

バーチャルリアリズム

砂上の砂のように静寂に鎮座を繰り返す私は 傍から見れば俗悪な人間でしょう 私は貴方たちに本当の自分をどう伝えれば 愛でてもらえるかと必死なのです いつかトラックで旅をした日に私は貴方の様に なりたくない旨を伝えましたが 私は貴方より貴方な貴方に…

冷房の効かない部屋

溢れ出んばかりの阿保でした はち切れんばかりの阿保でした 私は風速3mの追い風に吹かれ進んでいるのですが 追い風の正体は臆病風で私は恐れ戦いているだけで 進んでなどおらず、むしろ人間的には後退しており 貯金箱の中の十円に針の筵を与えるが如く 阿保…

不安の種

嵐の夜にどこかよく似た残尿感が私の下腹部を摩ります 摩られた下腹部は気持ちが良いのか勃起を繰り返し ついには下卑た女より卑しい残尿感により果てるのです 煩わしさしか覚えない自慰という物はする意味があるのかと 自分自身の行動に疑問符を剛速球で投…

夏の知的障害者

阿呆の家鴨の態で口をパクパクとさせ呆けている 夏の暑さは冷房など暖簾に腕押しとさせてくれる 猫は伸びきったラァメンの様に体を伸ばし寝ている 私には資格があるのだろうか その猫を愛おしいと思える資格があるのだろうか 深夜の目覚めにはミルクティーを…

ラッパの朝

クラクションが響き渡る朝に辟易としています 朝の訪れというものは静かに厳格でなければならないのです 駄々を捏ねる子供の声や赤ん坊の泣き声など 蒙古斑の共鳴する朝など死んでしまえばいい 朝が死んでも夜が続くだけであって私には何の問題もない むしろ…

夏と花火と私の死体

あれは夏で五歳を醸し出していた頃の事だ ジスキネジアからくる高熱で病床に伏していた 熱を出せば誰もが幻覚を見ると思うのだが 私の場合は神風特攻隊の幻覚を見ていた 爆弾行進曲がバックグラウンドで流れ 銃弾の飛び交う中を特攻機桜花で颯爽と滑空し 我…

隣人は笑う

私は無垢であり無知でした すべての口からは真実しか出てこないものだと 例えそれが嘘であったとしても解釈の問題であると 幼心からパラドックスを気取っていたのです しかし口からは反吐の様に嘘は限りなく出るのです それでも町は廻っているのが何よりの証…

独白

6時や3時45分に一刀両断される時間の儚さを ひしひしと感じる事を余儀無くされています 私自身のモラトリアムが足りなくなっているのです 意図するべきはモラトリアムが終わると共に 人生が終わってしまうくらいが丁度いいのです 貴方の猶予時間と私の猶予時…