十日目の夢

狂人は狂うのが解る時の恐怖で狂うのだ
壊れてしまうのが幸せだと銃口を咥えても
フラッシュバックの恐怖に引金に指も掛けられない
貴女の笑顔は引金を引こうとしてるのか?
それとも押さえていてくれているのか?
十日目に貴女の夢に苛まれなくなっても
この気持ちが安堵か焦燥か解らないまま
下井草で私は狂いに狂ったのだ
誰に嫌われようとも構わないと狂いに狂ったのだった
疲れきった電車で見るのは貴女の夢だった
俯きながらの帰り道、恐怖ですれ違う貴女を見れなかったのだ
私は夢に生かされているのか、貴女に生かされているのか
どちらでもいい、早く引金を引いてくれ