犬のいぬ生活

部屋には似たもの同士が並んでいる
顔のない犬は首を長くして私を見ている
私はその畏怖に怯え、眠れない夜なのだ
犬は何に怯えているのかと言えば私なのだろう?
私は何に怯えているのかと言えば犬なのだろう?
先生がおっしゃっている意味がよくわかりませんが
兎に角、ここに犬がいるんです
今、犬がいるんです
今、吠えているんです
今、栄えているんです
今、狂っているんです
今、死にました
それは私が死んだので犬はまだ生きています
眠れない深夜に保健所の扉が開き
連れて行かれるのはきっと私なのだ
オカリナを吹く準備は出来ている
さぁ、扉よ開くのだ
世迷言と妄言に塗りたくられた夜は明けて
もうお日様が天空高くに登っているので
私は先生のおっしゃるとおりにクスリを飲みます
あぁ、もう二度と、三度と、四度と
積み重なった錠剤は安眠だけを私にプレゼントしてくれました
私の友達は貴方だけなのです、おやすみなさい