五体満足不満足

なぜ私は心をぶら下げているんだろう
なぜ私は知恵を持ってしまったのだろう
誰も見れず、何も知れずに白痴に生まれたかった
人間ではなく空に生まれたかった
それか一粒の砂に生まれたかった
右耳も、左腕も、中指も、眼球もいらない
五体満足を是ほど煩わしく思うのは
空から落ちてくる雨の一粒が妬ましいからなのだ