2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧

僕は嘘吐きです

扇風機の風が頬を撫ぜてそっぽを向く様な そんな一進一退の毎日が歩いている 今日こそは嘘をつかずに生きれたと 心のない心の歌をただただ聞いていた 私の横に友と憧れが座り、私はただ蹲る 飲み干す水すらも乾いていく夜 歌う歌すら干からびて響く夜 顔のな…

左右盲

捥げた腕を拾い上げる腕は左なのか右なのか 壊れた時計の針が回るのは左なのか右なのか 枯れてしまった脳味噌は左なのか右なのか 私が今見ている世界は左なのか右なのか 彎曲した時間を斜めに見れば直線を描き 落ちていく自分から視線を外すいい口実だ モニ…

リズム、リズム、リズム

興奮冷めやらぬ夜は何錠の精神安定剤も 性的不能者になるのだなと暗闇を見つめています チクタクとメトロノームよりも正確な時計が 一定のリズムで頭蓋を穿ち続けています 眠れずの朝はこうして軍靴の音でやってくる そう思った瞬間に目の前は真っ暗になり …

ペン先の陽

走るマジックのキィキィという音が 部屋中に散乱して腐っていきます 私の部屋にはマジックインキが滴り落ちて さながら海坊主の涙の様な青い色です 赤い色も混じっているのですが私には血は流れず 部屋に流れる近代的なロックンロールが 私の右手を左へ右へ…

初夏爛々

夏だというのに茜色の空も入道雲も見ていない 私の部屋にはまだ夏が訪れていないようなので 蚊取り線香を炊き無言の訴えをしている 夏は来ないのに平行線では飛行船が音もなく飛んでいて これははて、奇妙な風景だと眺めていれば 窓から手を振るのはやはり貴…

「行くも戻るもままならない、不器用で卑怯な毎日だ」 CDプレイヤーが不意に私の事を呟いている 脳味噌が歌に侵食される夜には狂気が足りないらしいので 音を探してチャンネルをくるくると回しているのに テレヴィジョンという物は欲しい情報すら与えてくれ…