2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

潰れかけた顔で

止め処なく溢れる心の汗と言う名の尿が 全身をアンモニア臭で包み込みアンニュイな気分だ 今日は久々の晴れ舞台なのだが片翼の発した一啼きが 甘い紅茶の臙脂を色を色褪せさせて震えが止まらないのだ 私が堕ちて行くとしたら翼を失くした時であると 過去に痛…

湾曲する鼻

自分の存在を恥ずべき物としか思えない 恥部の象徴のような私に誇りを持つとすれば 四六時中醸し出される栗の花の匂いだけだろう 全身黒尽くめの男は私の事を納豆野郎と揶揄したが あながちそれは揶揄ではなく率直な感想でしかなく 私自身は納豆と同系列に扱…

視線を眺める男

眼球の中で膝を抱えて蹲っているのは私だ 目に見える眼球の中の世界しか知らない私だ いくら視野を広げた所で眼球の中から出る事は出来ない 釈迦の掌より有限な無限の世界を一人悲観しているのは センチメンタルな情景に酔いたいと思っているからだろうか そ…

三色旗掲揚

交差点で信号待ちをしていたところ 信号機が心臓発作を起こし亡くなった 最後に灯したのは赤のシグナルだ 道路は交差点を中心に大渋滞を起こし大混乱だ タクシーの運転手は発狂し日本中の信号機を これでもかとばかりに鉈で叩き潰して行脚した 勤続30年のタ…

スクイッドスープ

当たり障りもなく果てることに意味があるのだろうか 傍若無人な陰部からの幽体離脱を何度となく 繰り返す悪夢の如く日付が変わる度にしてしまう その都度、汗だくになりただでさえ醜い私は 黄色がかった白い声を出し醜態を晒してしまうのだ 部屋には猫がいる…

主従関係

ここは本当に私の家で本当に私の部屋なのだろうか 見間違えるほどの胡散臭さを醸し出しているのは眠気だろうか そんな目眩を万年床にバタンと殺しに入ったところで 誰かが私の後頭部をぐりぐりと踏み躙ってくるのだ どこなのかもわからない自分の部屋で 誰と…

壊れた物=壊された物

信号が赤の時に車の時間は止まっている 信号が青の時にも車の時間は止まっている 車は危険なので走ってはいけない法律を作るべきだ 大事な物ほど壊れやすい天地無用の長物だ 私が大事な物を失くすのはちゃんとしまってないからなのか? 否、それは危険が危険…

擬獣法

脱兎の如く猫が逃げている それは果たして猫なのか兎なのか 少なくとも雀ではないだろう なぜなら滝の様な涙で鳴いているのだ 私はそれを見ながら首を括ろうか 働こうかと迷っているのだが 私も社会から脱兎の如く逃げ出したいのだ そしてどこかにあるであろ…

揺り篭と蜃気楼

私は二度寝する事の素晴らしさを知っている 君の囁く声を聞きながら寝惚け眼でいる幸福を知っている だが夢を見るということを知らないのだ 貴方の囁きが途絶えた時に見えるあの光景は夢なのだろうか あれが夢なのだとしたら私は夢を見る事も寝る事も 知らな…

早朝の笛吹き

鏡の中からキィキィと軋む音がする 耳を塞ごうとすれば尚大きな音で軋むのだ 窓に目をやればカーテンの隙間から 目の異様に大きな褐色の子供が私を見て笑っている 目を背けようとすれば私の視界に無理に入ってくるのだ 布団を被れば猫がニャアニャアと鳴き始…

勘違いの間違い

昼と夜を間違えた太陽が昇っているのは誰のせいだろう 既に深夜だというのに日の光が止まらず射精をしてしまう 家族全員で射精をしてしまうこの悪夢のような白夜は 恐らく私の勘違いであると願いたい物だが 時計が嘘を吐く事は兇悪な悪意にでも満ちていない…

飛んで火にいる狂信者

生きてる理由がわからないが死ぬ理由も見当たらないので 日々を悪魔崇拝主義者のしたり顔で転がしています 戯れはいつの日も凋氷画脂に疲れる原因です もし貴方が聞く耳を持つとしたら私は粘土で出来ている貴方の 口には出せない淫猥な物を愛しています 口に…

覆面

日々が液状化してきている 今日も私の顔ではない顔が私の上っ面に張り付き 私の表情ではない表情をそこら中に靡かせて そして困窮の時には顔は剥れ空中を ひらひらと舞ったかと思えばくるりと悪戯な宙返りを 見せつけながら不敵な笑みで去っていくのだ その…

センチメンタルアーミー

階段を一個小隊が登ってくる音がする リズミカルに妙に足踏みを揃え私を包囲する ドアを開けてはならない 開ければそこに丸々と肥えた軍人が待っている 私の肛門は外人のように綺麗ではありませんよと ラバウルに向かって叫ぶ今日の朝を眺め スケッチブック…

秋眠、暁を覚えず

パチンと指を鳴らせば天井から巨大な足が下りて来て 私をゴキブリの様に踏み潰すのだろう 私が足を伸ばせば猫の背中を蹴ってしまったので これは猫の恩返しという精神的なパラドックスなのだろう 猫の背中は広く無限である故に私は孤独なのだろう 猫と私しか…