2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

夏の前日

蝉時雨が選挙カーのように泣いていた 荼毘に臥される煙は私には見えず 玩具を燃やしている煙と勘違いする事もなかった 蝉はあれほどに泣くのに涙は出ないのだろうか だとすれば私は蝉なのかもしれない 貴方の分まで七日間を精一杯生きようと思います

色々な轍

最果ての地の脳のバス停で誰かが降りてきます インスリンを注射しない午前2時は苦痛でしかなく とぼとぼと蛞蝓の歩みで家路に付くものの 私にとって最早禁忌とさえされる朽ちていく部屋は 私の翳りゆく顔色にみるみると薄い赤に変わっていきます 月は緑、星…

寄生ラッシュ

貴女は本当にベラベラとよく喋る 情報の価値観から言えば貴女は無一文だ 道端で靴磨きをしながら靴箆になりなさい 私の誇り塗れの革靴をペロペロと舐め 快楽を感じながら果てればよいのに 貴女は私の期待を裏切るのだ 悪意に満ち足りたジストマの様に 糞尿に…

熱中傷

乱反射を繰り返す光はトイレの中まで キラキラと輝かせなんとハレンチなのだろう 光は光の匂いしかしない様に 私は私ではない匂いしかしない いくつもの視線の宙返りが床から見える それは私に永遠に眠って欲しい者の 嫌がらせ的な表れなのだろうと 夏バテに…

定食屋にて

食事中に貴女の顔を思い出したくない 貴女の顔は綺麗でとても澄んでいて清楚な 腐ったオレンヂの様な匂いを発する汚物の顔だ 食欲は失せ吐き気をもよおし楽しいランチタイムが 断末魔の聞こえる阿鼻叫喚の地獄絵図の拷問だ 生ゴミは生ゴミらしくリサイクルさ…

38度

ぶん投げた感情はスーパーボールの様に弾み 私の思ったよりも200フィートは高い所で 放物線をクレヨンで描きながら凱旋帰国しました 明日の晩御飯には七面鳥の丸焼きが出ます 頭痛が酷いのはきっと金儲け主義に塗れている 白人、黒人、黄色人種のせいでし…

サウンドシステム

雨の音がする クーラーの音がする 猫が鳴いている 私の声は私にしか届かず 花の香りのするところには 逝けないだろうと悟った しかたがないので首を括った それしか策はなかったのだ

苛立ちの朝勃ち

脳味噌を捥ぎ取りたいほどイライラしている そのイライラがどこから来たのかと言えば 私にも皆目検討が付かない所をみると 生まれた時から既に脳に存在していたのではないか 牛乳色をした脳は腐り始め生まれた時の脳など 覚えているはずも無く折角の精神安定…

恋人はサンタクロース

逃げ場を失った窮鼠は東京タワーを頭から 丸齧りしながら思うのです 私は今までライトアップされたことがない、と 電球はいくら貪り食った所で腹の中では光らない その事はバカな金儲け主義のミッキーマウスには 到底解らない全人類の心理とでも言うのでしょ…

容赦のない傍観

全身を嘘が駆け巡り赦されていきます 今日のように気分のいい日はそんな気分です でも貴方はどこへ行っても嘘を振りまくのでしょう 私の様に透き通った体を持っている人は稀少だから 赦される事のない日が必ず来ます その時は私は貴方を庇う事もせず傍観しま…

首吊りの風

溺れてしまうほどの雨が列島を縦断する事に 劣等感を覚えてしまっている今日という日は 何事も悲しまずに何事も楽しまずに 浅学菲才な自分の首をロープで縛りながら 桃源郷が見えるはずと思い込みながら死にます なんとも言えないほどの夏でした

朝、蛭、晩

空が紫色なのを気に掛けていた 今日の様に眠れない朝は歪んでいる ふと横に目を向けると空の焼酎瓶の向こうに 緑色のこの世のものとは思えない二つの眼球が 私の体に釘を刺すようにじっと見つめていた それが蛙のぬいぐるみだと気づくのには 今日という日を…

女の腐った私

突然の雨に打たれた様に女々しい声が聞きたくなった 思い立ったが吉日と電話帳から貴方の電話番号を探し出し 電話機のダイヤルをくるくるくるくると一心不乱に回したのだ それはロシヤのバレリーナのようであり自己陶酔に陥っていると 繋がったのはなぜか中…

天蓋は唸る

歯に髪の毛が挟まっている 君の頭を齧ったのが功を奏したのだ 脳味噌が天空高く昇っていく高揚感と 頭蓋骨がミシミシと音を立てる焦燥感は 連日連夜の心地の良いもどかしさだ 君の脳味噌が私の脳味噌と混ざった時に 総てのDNAを否定してみたいものだ

嘲笑う背中

窓ガラスに映る天井は底なしの様に上が見えない ふと後ろを振り返ると私の背中が佇んでおり 気の利いた夏の洒落だと思い込むのが精一杯 孤独を感じている現在に家畜同然の扱いをされている 私は忘れ去られた孤島の中でたまゆらに生きている 何の不満もないが…

趣のある人

生まれてくるに越した事はないが その紅潮させた醜くも美しい体を これ見よがしにクネクネと見せつけるのを やめてくれないならば私にも考えがあります 全世界のネクロフィリアを撲殺します ネクロフィリアの死体にネクロフィリアが群がり それを撲殺すれば…

自重

銀輪の回転が君の重さで倍になる熱帯夜の坂道 それはまるで小さな恋のメロディのトロッコだ 泡沫の様な夏の思い出をポトフに浮かべて見る物の コンソメの香りは白濁の朝昏の空に溶け込んでしまい 猫のアイデンティティを汚す事を安らったのだ 威厳などない無…

虚ろな空を蔑ろにして

今日は夏だったといえば嘘になる 太陽はギラギラと鱗のように輝き 雲は九州の方へ旅行に行ったまま溺死した 空のない空は嘘を塗り固めたコンクリートで 私は老婆心からか総てを赦そうと思ったのだ 日付の変わる瞬間に私は3歳だった 稚児の脳髄は世界が桃色に…

銀河鉄道の夜

カンパネルラが私の傍で寂しい座り方をしている 貴方の吐息が窓から漏れて雨が降ったとしても それはすべて君の責任なのだから泣いてください 水の雫がどこからともなく降り注いできたら 貴方はここから去っていくのでしょうか? それとも赤いコンバットナイ…

札幌時計台

日付が変わっても私は無色だ いつになれば色気づけるのかと 少々食傷気味の悩みを抱えている 時計の針は睡眠薬の効き目が 薄れながら効いていくのを 実感するかのようにチクタクと 縦横無尽にクォーツの園を 駆け巡りそれはまるで血液のようだ 私に出来る償…

曇天模様の空の下

死ぬのも生きるのも面倒だ さじ加減を失敗したのか妙に塩っぱい日々 砂糖を入れれば中和が出来るのだろうと 今にも未知の飽和が成され様としているのだが 今日の天気は鉛色だった為に空は錆びてしまう あぁ、これがモラトリアムかとほくそ笑むのに 全精力を…

sleep sheep

睡眠欲などと言うものは真昼の日光浴に溶け 私の中には最早、存在しないものだと思っていたが 最近の学説では専らシナプスが睡眠で切れた時に 更に知恵遅れになりたいと眠りを欲するらしい 挙句は自らの子供をバラバラにするビックレディの 世界にすら行きそ…

大都会浮浪者

私からしてみれば貴方を知らない事は破滅である 貴方を知ろうとすればするほど貴方は遠くに 蜃気楼の様にゆらゆらと揺れ私を惑わせていた 摩天楼は忘れ去られた子供心を思い出させてくれる 気が触れる町並みに視線を傾ける人などいないのは いけ好かない人権…

ふるん、ふるん、ふるん

手を伸ばせばあそこまで手が届くのだろう と思考しながら手を伸ばすのを億劫がっている 私の腕は暑さで膨れボンレスハムの様にパンパンだ それに加え賞味期限が過ぎているので異臭を放つ もし手を伸ばしても私の腐ったハムの手は 空中半ばで拒絶されてしまう…