言葉の雨が脳髄を濡らす時、言葉の風が吹く 私はそんな時に此処に言葉を記す 時たま何処からともなく歪んだ声が聞こえる 声は言葉を運んできてくれるが声は語彙が乏しく 私自身を映す鏡であり、乱反射の陰気な愚か者である だから私は猿轡をされたナルシスト…

プレタポルテのインパネスを羽織り ソンボレロをかぶったゴンザレス 私だけのゴンザレス クラシシズムを捨てた私の価値観から 新たな価値観をくれたゴンザレス 私は彼の為にプロスチチュートになり 体を尽くし馬の餞を アナルローズを咲かせた食卓に葡萄酒を…

時計は如何にして正確に狂うかを考えている 狂人は如何にして正確に狂うかを考えれない 時計が十二時を指した 私は黒い夜が白い朝へと 変わる事へ恐怖を感じる 逆もまた然りだ 世界の色が変わる時には 自分自身が変わってしまうのではと 自分自身のアイデン…

風が吹かないかと思った 私は大切な事は全て見落としてきた ならば風が吹き微塵が飛べ迷い 私を目眩ましてくれればよい さすれば何かしらの言い訳になるからだ 現状で私は何も見えていない 目の前には澄んだ空気が広がり 煌々と明かりが燈っているのにも関わ…

先日の嵐で私の脳味噌は渡り鳥の様に どこか遠く、恐らくはアボリジニの 踊る辺りへ流れていってしまった 脳味噌の無い私もセンシティブな感性だけは 持ち合わせていたようで一人バラライカを抱え 嵐の過ぎ去った満月の浜辺で聾唖者の様に ぐわりぐわりと歌…

道路を歩けば石が転がっている 部屋へ帰れば机が座り椅子が座っている そこへ私は立ち尽くし 箪笥は座りテレビも座っている 異端者は私だけで十分だ 異端者のアイディンティティも神であるというのに

目を閉じると私がいた しかし今の私ではなく 童の頃の私だった 私は私に手招きをするので 私は私を追いかけた 暗闇の中を一心不乱に追いかけ 気づくと私は箪笥に頭をぶつけていた クラクラしながらも 私は私の手を捕まえた しかし私は私を懇親の力で 私を振…

無数の眼が私を見ていた 何処へ逃げようと私を見ていた これは幻覚なのだろうか 無数の黒い蝶が生まれた それは頭の中を蔽いつくし 無数の眼を隠してくれた しかし私の眼も隠してくれたので 私は盲目になり 今も物乞いをして暮らしている 歪みの声だけが雑踏…

「私の屍を食べてもいいですよ」 と、出会い頭に言われた事があるだろうか 私は言われたことがある 言われてみると案外、平然な対応を取れるものだ 視線を中に泳がせて「え、え、え、」と答えれる 無論その後、殺して食べた これが平然とした毅然としたごく…

アヌスに黒薔薇を挿した23歳の日々 緑色の夜に踊るだけの日々 常に空中を眺めているだけ まばたきもせずに一体何を眺めているのか それは彼にだけ見えるユートピア 10歳以下の子供にしか逝けない ネバーランドの様な国 童心を忘れぬようにと彼は毎晩アヌスに…

総天然色の夜明けにビシッと首を絞める私の目覚め 震度１の地震には気付き辛いが誰か気付いてくれるはず そう思いながら私は脳を揺さぶり電波を出す 電波の周期が1.29Mhzになればコップの水も溢れ出すと 右手に煙草、左手に紅茶 自分でもインビジブルな朝は…

もしも鍵が開いてもドアは開けないでください 私の感情はそこからじわりじわりと溢れ出します それはスペインのパレードの様に 感情的で荒々しくあり誰にも見せたくありません だから私はいつもしみじみとしているのです この先には私が居なくなった世界しか…

殺意に溢れた新年だ 今年こそは私は死ぬのではないか それも他意により殺されるのではないか そんな予感が心の中で溢れている 今日も声が聞こえた 明日も聞こえるだろう 少なくとも三が日は声が絶えないだろう