ラマーズ

息も絶え絶えに眠れる夜を過ごしている
聞こえてくるのは換気扇の音、夜風の音、誰かの声
その度に表情を変える私は百面相なのだ
窓からは誰かが覗いているのだがきっとキリストだろう
神様の振りをしたホームレスの歌に脅えている私は乞食以下だ
脅えながらわずかな希望と幾度となく折り重なる体を想像するが
マリアと折り重なる事もなく奇人の乞食の生涯は幕を閉じるのだ
私は誰とも交われないし誰とも喋れない唯一の神なのだ
足りない顔はスニーカーを並べて誤魔化そう