2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

斜陽

雨が降ったら嫌だなと思った 葉が一枚散った もう葉が散ったら嫌だなと思った もう一枚葉が散った すでに雨の事など忘れていた 落ち葉をセブンイレブンの アルバイトが片付けていた 秋だなと思った しかしもう冬になる

ナルコプレスシー

朝起きて電気を点けると私が存在していた 不思議な事ではないのだがとても驚いた 私のような者が存在できるこの世界 その敷居の低さに驚いた 驚きすぎてTVを点けると私が写っていた 世界のレベルが低い事を痛感した そういえば明日は死ぬ日だ お線香を買い…

脳髄に住む貴方

私は貴方が脳の奥底に居ると信じている 飛び降りでもして脳髄をぶち撒ければ 私の屍骸の横に貴方は産まれるだろう そしてすりこみ現象で私の屍骸を親だと思い 私の屍骸に愛情を注いでくれるだろう あぁ死にたい 無垢な貴方を社会の荒波に放り出したい それは…

桜木茉莉

私の疑心暗鬼は金棒を振り回している 落ち着いてください 私はここにいます 生きています 疑心暗鬼は私が死んでいるかの様に 吹聴しています 吹聴しています 耳の奥にガムを詰めたように 何を喋ろうが頭の中で反復するだけです 耳の洞窟です 耳の洞窟です う…

靴を食べた日

今日の朝食は靴だった もう5年ほど履いていた靴だ 愛着があった なので食べた おかしい事など何一つ無い 胃の中から靴音が聞こえる 余った靴紐で首でも吊るとするか

デスケル

「人間は人間でなくては為らない」 是は社会的通念から生じる誤解であり 人間は飛べない魚だろうが飛べない豚だろうが 何で在りにしろ存在価値を其処に見出す事ができる かと言って人間が人間である努力を怠る事は 恥、背徳、無様・・・様々な言い方が在るだ…

木人のドア

今朝、目覚めると頭にドアが出来ていた 蔦が周囲を取り囲んでいて、これは気づかなかったが 大分、昔から頭にあったのだろう 頭と言っても見える位置ではなく、どちらかと言えば脳 そう、脳にドアがあったのだ なぜ気づいたのかと言うと今朝は其処から 木で…