2007-01-01から1年間の記事一覧

博士の愛した数式

救われたい私はスプーンを片手に踊っている 食卓にガスマスクの上る日に何をすればいいのか判らず 散財しながら童心に帰る事にするが土産は何がいいか? 土産も持たずに外に飛び出した私はとにかく自由が恋しかった しかし自由とは家の中に山ほどある事に伊…

へそで茶を沸かす

私は生きる事が大好きだ 生きているからには生きる事が 好きでないと生きていけないからだ だがもしここが死後の世界だとしたら 私は生きずに生きる事を謳歌しているという 茶番以外のなんでもないんだが茶番だろうが 午前中に飲む午後の紅茶は美味しいのだ

バカな壁

性的不能者と性的倒錯者が背中合わせで笑っている 右を向けば精神異常者と身体障害者が死んでいる 私はこれを夢だと思いたくてしょうがないのだ 夢は叶えてみれば悪夢に思えて夢だと思いたい事も 多々あると聞くが私の直面しているのは現実であり この壁は超…

潰れかけた顔で

止め処なく溢れる心の汗と言う名の尿が 全身をアンモニア臭で包み込みアンニュイな気分だ 今日は久々の晴れ舞台なのだが片翼の発した一啼きが 甘い紅茶の臙脂を色を色褪せさせて震えが止まらないのだ 私が堕ちて行くとしたら翼を失くした時であると 過去に痛…

湾曲する鼻

自分の存在を恥ずべき物としか思えない 恥部の象徴のような私に誇りを持つとすれば 四六時中醸し出される栗の花の匂いだけだろう 全身黒尽くめの男は私の事を納豆野郎と揶揄したが あながちそれは揶揄ではなく率直な感想でしかなく 私自身は納豆と同系列に扱…

視線を眺める男

眼球の中で膝を抱えて蹲っているのは私だ 目に見える眼球の中の世界しか知らない私だ いくら視野を広げた所で眼球の中から出る事は出来ない 釈迦の掌より有限な無限の世界を一人悲観しているのは センチメンタルな情景に酔いたいと思っているからだろうか そ…

三色旗掲揚

交差点で信号待ちをしていたところ 信号機が心臓発作を起こし亡くなった 最後に灯したのは赤のシグナルだ 道路は交差点を中心に大渋滞を起こし大混乱だ タクシーの運転手は発狂し日本中の信号機を これでもかとばかりに鉈で叩き潰して行脚した 勤続30年のタ…

スクイッドスープ

当たり障りもなく果てることに意味があるのだろうか 傍若無人な陰部からの幽体離脱を何度となく 繰り返す悪夢の如く日付が変わる度にしてしまう その都度、汗だくになりただでさえ醜い私は 黄色がかった白い声を出し醜態を晒してしまうのだ 部屋には猫がいる…

主従関係

ここは本当に私の家で本当に私の部屋なのだろうか 見間違えるほどの胡散臭さを醸し出しているのは眠気だろうか そんな目眩を万年床にバタンと殺しに入ったところで 誰かが私の後頭部をぐりぐりと踏み躙ってくるのだ どこなのかもわからない自分の部屋で 誰と…

壊れた物=壊された物

信号が赤の時に車の時間は止まっている 信号が青の時にも車の時間は止まっている 車は危険なので走ってはいけない法律を作るべきだ 大事な物ほど壊れやすい天地無用の長物だ 私が大事な物を失くすのはちゃんとしまってないからなのか? 否、それは危険が危険…

擬獣法

脱兎の如く猫が逃げている それは果たして猫なのか兎なのか 少なくとも雀ではないだろう なぜなら滝の様な涙で鳴いているのだ 私はそれを見ながら首を括ろうか 働こうかと迷っているのだが 私も社会から脱兎の如く逃げ出したいのだ そしてどこかにあるであろ…

揺り篭と蜃気楼

私は二度寝する事の素晴らしさを知っている 君の囁く声を聞きながら寝惚け眼でいる幸福を知っている だが夢を見るということを知らないのだ 貴方の囁きが途絶えた時に見えるあの光景は夢なのだろうか あれが夢なのだとしたら私は夢を見る事も寝る事も 知らな…

早朝の笛吹き

鏡の中からキィキィと軋む音がする 耳を塞ごうとすれば尚大きな音で軋むのだ 窓に目をやればカーテンの隙間から 目の異様に大きな褐色の子供が私を見て笑っている 目を背けようとすれば私の視界に無理に入ってくるのだ 布団を被れば猫がニャアニャアと鳴き始…

勘違いの間違い

昼と夜を間違えた太陽が昇っているのは誰のせいだろう 既に深夜だというのに日の光が止まらず射精をしてしまう 家族全員で射精をしてしまうこの悪夢のような白夜は 恐らく私の勘違いであると願いたい物だが 時計が嘘を吐く事は兇悪な悪意にでも満ちていない…

飛んで火にいる狂信者

生きてる理由がわからないが死ぬ理由も見当たらないので 日々を悪魔崇拝主義者のしたり顔で転がしています 戯れはいつの日も凋氷画脂に疲れる原因です もし貴方が聞く耳を持つとしたら私は粘土で出来ている貴方の 口には出せない淫猥な物を愛しています 口に…

覆面

日々が液状化してきている 今日も私の顔ではない顔が私の上っ面に張り付き 私の表情ではない表情をそこら中に靡かせて そして困窮の時には顔は剥れ空中を ひらひらと舞ったかと思えばくるりと悪戯な宙返りを 見せつけながら不敵な笑みで去っていくのだ その…

センチメンタルアーミー

階段を一個小隊が登ってくる音がする リズミカルに妙に足踏みを揃え私を包囲する ドアを開けてはならない 開ければそこに丸々と肥えた軍人が待っている 私の肛門は外人のように綺麗ではありませんよと ラバウルに向かって叫ぶ今日の朝を眺め スケッチブック…

秋眠、暁を覚えず

パチンと指を鳴らせば天井から巨大な足が下りて来て 私をゴキブリの様に踏み潰すのだろう 私が足を伸ばせば猫の背中を蹴ってしまったので これは猫の恩返しという精神的なパラドックスなのだろう 猫の背中は広く無限である故に私は孤独なのだろう 猫と私しか…

ボンバーヘッド

生きている事は死ななくてはいけない事だと気づいた だが私は斜に構え石油王になる事に決めた その為には死して化石となり石油にならなくてはいけない 有限なる物は無限に生まれるのだ、気を落としてはいけない 私はいつか無限な有限となり家族に恩返しとお…

これから始まる暮らしの中で

友達は選びなさいと小さい時に口を酸っぱくして言われたが 元々、私が選べる選択肢など限りなく0に近いわけで そのなかで私が選んだ選択肢は小数点以下の切れ端なのだ そんな事を考えていると私はこの宇宙の中で独りで 漂う鉱物と生物の中間の物体なのではな…

幻想世界への旅

私は彼是十年は異なる次元を捜し求めている訳だが 人を超越する事が出来ないので半ば諦めていたのだが 人が人である所以は理性を持っていることなので 理性を失えば全ての人類を超越できると確信した 獣の侭に野蛮に人を殺めればいいのだろうか しかし自分自…

敬愛なる東野幸治さんへ

ただの知恵遅れのキチガイの乞食のホームレスのルンペンだと 心の奥底で決め付けるのは止して頂きたい これからは貴方を許しますからせめてどれか一つにしてください

鮑の背中

背中に何か張り付いている それが何かはわからないのだが不思議と恐怖もない むしろ何が張り付いているのだろうという想像が 眠れない夜の布団の中でぐるぐると回るのを眺めている 重さからは赤子か?感触からは巨大な鮑か? その様な物が張り付いていたら常…

ペットボトルロケット

振り子時計の振り子が動き 猫は微動だにせずこちらを見ている 早朝の訪れは繊細な女子高生のように 几帳面に激しく斧を振り回している さぁて、親でも殺してこようかと 呟くのは貴方にかけるための暗示です 騙されていても騙されてはいけないのです

眠くないのに眠れない

生まれようとしているのは卵ですか?鶏ですか? そんな押し問答をしながらコンクリートを歩いていると 妙な風が吹きかかるので落ち込むのです 私の存在は嘘だったんだと自己嫌悪になり 家に帰れば二次元が抱きしめてくれると妄想をし iPodから流れてくる二次…

夕間暮れのカレーの臭い

散歩がてらにぶらぶらと歩いていると 自分はなぜここにいるのだろう?と 不思議な感覚に見舞われることが多々ある そこまで歩いてきたことは覚えているのだ 目的があったことも覚えているのだ ただ、その過程を踏んだのは本当に私なのだろうか? 私は今ここ…

空と地面の間には

意味のない言葉の積み木遊びを続けていますが いつまで経っても空へ届くことはありません 思えばどこまでが空でどこまでが地面かを 私は厚顔無恥なために知らずに生きています 遠い魚の目でモザイクのかかった領域を これでもかと言わんばかりに眼を細めるの…

大空に落ちる人の戯言

時には雨が降ることも風が吹く事も稀にある 太陽はいつも私の下にあって空を見上げば いつも星空が輝いてる理想郷に万歳だ もし貴方が嘘を一つだけ吐けるとしたならば 是非とも貴方の心にもない私を賛美する言葉を 満月の丸さを滑る様につるりつるりと その…

XYZ

先日の晴天が嘘の様な鈍色の曇り空の下で 私は貴女をずっと待っていたのです 口をあんぐりと大きく開け涎を垂らしながら 転がる石の様な意思を持ち待っていたのです しかし私の顎も限界なので踵を返したところ 携帯電話に29564件の不在着信がありました 誰だ…

猫と油蝉

9月になったというのに頭の中では油蝉の喧しい鳴き声が 能面の様な薄ら笑いを浮かべながらペッタリと張り付き 狂気のあまりに小躍りしてしまう様な眠れない夜を 貪り喰らう様に私はここに存在しています 猫の散歩はどこまで行っても三日月の中からは出れず …