擬獣法

脱兎の如く猫が逃げている
それは果たして猫なのか兎なのか
少なくとも雀ではないだろう
なぜなら滝の様な涙で鳴いているのだ
私はそれを見ながら首を括ろうか
働こうかと迷っているのだが
私も社会から脱兎の如く逃げ出したいのだ
そしてどこかにあるであろう私を保護する
ビオトープで日がな一日光合成をしたいのだ
植物人間は種子を残さないで生きていける
それは素晴らしいことではないかと錯覚して
首を括りかけたところで精神安定剤を数十錠
ウオッカで流しこんだのだ
月明りが差していないのでいい夢を見れるだろう