覆面

日々が液状化してきている
今日も私の顔ではない顔が私の上っ面に張り付き
私の表情ではない表情をそこら中に靡かせて
そして困窮の時には顔は剥れ空中を
ひらひらと舞ったかと思えばくるりと悪戯な宙返りを
見せつけながら不敵な笑みで去っていくのだ
その時の私の本当の顔は半笑いで半泣きの五分五分の
複雑で織物の様に幾重にも重なった表情だった
これで二十五日連続だと思うと感情のインフレが収まらない
明日も頭の中で誰を殺そうか誰を強姦しようかと考え
陰鬱としながら日常を繰り返す事にする