夕間暮れのカレーの臭い

散歩がてらにぶらぶらと歩いていると
自分はなぜここにいるのだろう?と
不思議な感覚に見舞われることが多々ある
そこまで歩いてきたことは覚えているのだ
目的があったことも覚えているのだ
ただ、その過程を踏んだのは本当に私なのだろうか?
私は今ここに誕生して放り出された赤子のような者なのでは?
歩いてきた、生きてきた嘘の記憶と嘘の経験を誰かに掏り込まれ
今までの私は存在しなかったのではないかという感覚
だが私は歩くことを止めないのだ
私はこの感覚を「肉じゃが効果」と名づけることにした