湾曲する鼻

自分の存在を恥ずべき物としか思えない
恥部の象徴のような私に誇りを持つとすれば
四六時中醸し出される栗の花の匂いだけだろう
全身黒尽くめの男は私の事を納豆野郎と揶揄したが
あながちそれは揶揄ではなく率直な感想でしかなく
私自身は納豆と同系列に扱われた事を救いと思い
これから始まる暮らしの中で異臭を漂わせながら
高円寺の駅前を全裸でうろつかなければならないのだ