センチメンタルアーミー

階段を一個小隊が登ってくる音がする
リズミカルに妙に足踏みを揃え私を包囲する
ドアを開けてはならない
開ければそこに丸々と肥えた軍人が待っている
私の肛門は外人のように綺麗ではありませんよと
ラバウルに向かって叫ぶ今日の朝を眺め
スケッチブックに描いたのは密林の猫と雀だ
思い返せば私は横浜に住んでいた気がする
いくら耳を塞ぎ現実逃避をしても
今日を進軍ラッパの音を聞きながら闊歩しなければ
老いさらばえて老醜を晒す私に明日は無いのだ