虚ろな空を蔑ろにして

今日は夏だったといえば嘘になる
太陽はギラギラと鱗のように輝き
雲は九州の方へ旅行に行ったまま溺死した
空のない空は嘘を塗り固めたコンクリート
私は老婆心からか総てを赦そうと思ったのだ
日付の変わる瞬間に私は3歳だった
稚児の脳髄は世界が桃色に見える為に
私は幸福だと勘違いしてしまったのだろう
幸せの方程式は掛け算ではなく割り算なのだ