女の腐った私

突然の雨に打たれた様に女々しい声が聞きたくなった
思い立ったが吉日と電話帳から貴方の電話番号を探し出し
電話機のダイヤルをくるくるくるくると一心不乱に回したのだ
それはロシヤのバレリーナのようであり自己陶酔に陥っていると
繋がったのはなぜか中華料理屋で仕様がない食べたくもない
辛みそ坦々麺の出前を取ったのだ(その中華料理屋のおすすめらしい)
麺とスープを飢えた猫の舌で掻き込みながら再度ダイヤルを回し
やっと貴方の声が聞けると思ったのも束の間なぜか110番に繋がっていた
私は人生の罪を洗い浚い反吐の如くぶちまけた所
裁判所にお呼び出しをくらいもうしばらく貴方と電話は出来そうにない
私は女々しい声で泣いた
こんな声で泣けるのかと思った時に貴方は必要ではなかった