自重

銀輪の回転が君の重さで倍になる熱帯夜の坂道
それはまるで小さな恋のメロディのトロッコ
泡沫の様な夏の思い出をポトフに浮かべて見る物の
コンソメの香りは白濁の朝昏の空に溶け込んでしまい
猫のアイデンティティを汚す事を安らったのだ
威厳などない無答責で無慈悲なるモノトーンの雲は
「あんまり殺しちゃいけないよ」とにこやかに
そして満面の恐怖を私に与えながら忠告するのだ
あぁ、昼が来る
昼など来ないで夜が訪れて総てを闇に混ぜればいいのに