2011-01-01から1年間の記事一覧

行き先は埼玉県

数日前の夢を引きずる私は劣等人種だ 総てを辞めて山手線の中で果ててしまいたい 貴女と夢の中で時間を過ごすのも 貴女と現実の中で時間を過ごすのも 総ての時間が高田馬場駅に向かってしまうのだ 品川という用意されたハッピーエンドがあるのに 私はどんな…

ヒミズ

淋しい埼玉への電車は何人乗っていようとも 独りなのだと窓の外を見れば真っ赤な朝焼けだ ビルに照り返す朝日の様に私を照らす物はあるのか? 電車の音はイヤフォンから流れる青春を履き違えた インストゥルメンタルロックとセッションをしているのだ 私一人…

狂人総玉砕

緑色に光るトカゲの眼が私の真っ赤な左目を弄る 私もトカゲの眼差しになろうと必死なのだが 精々、下卑た狂人の目しか出来ずに 眠れぬ午前五時を狂人の思考で過ごしている 如何せん脳味噌から血液の流れる音が漏れ あぁ、これは貴女の成分が足りてないのだと…

来々軒

夜が来ちゃっただけなんだ ちょっと寂しいだけなんだ 月が出ちゃっただけなんだ ちょっと眩しいだけなんだ 雲が出ちゃっただけなんだ だけど眩しいままなんだ 朝日が出ないままなんだ だけど眩しいままなんだ

乾燥肌になりたい

想う事を止めれれば自分はどれだけ幸せだろう 想いが届けばそれも幸せなのだろう 私に幸せが来る事が無いのは解っている だからこそ蜥蜴の眼差しで貴女を見つめたかった 私は蜥蜴になり灼熱地獄で果てたい 乾いた眼球に貴女が広がれば それだけで死んでいて…

Create for you.

私は貴女の為に作るのだ 誰の為でもない、貴女の為だ 貴女が踊るステージ 貴女が映るテレヴィジョン 貴女の演じるドラマ 貴女を映したフォトグラフ 貴女を書いた抽象画 私にはペンと紙と貴女があれば 幸せの呼吸を止めずに生きていけるのだ

むしばみ色

私はいつか藍色になる だからその前に無色になりたい 透明な心な貴女色に染まれる だから私は海月になって 貴女の作ったアクアリウムで ただただ漂いたい キチガイの唯一の願いなのだ

半畜の杖

私の見えない左の義眼は秋までは貴方でした 冬からは貴方が義眼になっています ころころと血走りながら転がる元の目玉は 何処へ行ったのか今日も片目で探しています まっすぐ歩けない私でも誰かの杖になりたい 図体だけでかい木偶の坊でも杖になれるのでしょ…

貴女にばんざい

深夜の目白通りには羊が泣いていました 私はいつまで経っても狼には慣れません ただ二人でいただけの時間は宇宙でした 貴女と同じ物を見て同じ様に笑っただけで これ程までに心が弾み、私はゴムなのだと確信しました ふわふわでぶよぶよで膨らみすぎの物体で…

吸えずの小躍り

私が映したかったのは貴女と私その物です 一つのカメラで一つになった日に 私は自分の為に生きるのを辞めようと思い 自分の名前すら捨てる覚悟で生きるのです あのコンビニでコインを3枚、クッキーを5枚 貴女のありがとうに私は救われました 感謝を言うべき…

はなきゅーぴっど

家族へ贈る花も見当たらず玄関前の白粉花を眺める 子供の頃は白粉花ですら幸せだったとにやつくも よく見るとこんな黒い白粉花を私は見た事が無い お里の知れた埼京線は下卑た話を塞ぐ耳栓が必要だ 耳栓から流れる奥花子に私は涙も止まらずに 電車の中でも私…

焼畑農業

私は脳天からピンクの胡蝶蘭が満開の植物人間だ 貴女の全身から胡蝶蘭の種が蒔かれ 貴女の口からはそれを育てる水が出る 私はスケッチブックが欲しい 貴女の絵を描くスケッチブックと 私自身を描くスケッチブックだ 貴女のスケッチブックには多彩な色を塗り…

僕は御器齧です

真っ暗な私に黒い髪と白い歯が光る 私は幸せだ 腹痛に苛まれる明け方に 腹痛で死ぬくらいなら貴女に噛み殺されたいと 人差し指を舐めながら朝が来そうなのだ たとえ童貞とキスをしようとも 誰から蔑まれようとも 貴女に噛み千切られそうになった時 私は既に…

おしるこマンホール

水曜日の隠語はステップを早くする 貴女が無事で笑顔なだけで馬力は無限に広がっていく 深夜2時を示した時計ですら私には夜中の太陽に見える 幻覚が幻覚を呼び、私は世界一の幸せ者だと 揺らめく街灯、揺さぶる脳味噌、上下の右手と止まらずに 屈折とした深…

日曜日よりの使者

私に出来た遅ればせながらの妹は前から知っている妹だ 以前から妹だったし今日から妹でも不思議でもない ただ爆弾は既に火がついていたのに更に油が注がれる 私は耐えられないと憂いの埼京線に乗り 現実逃避の下井草にて言葉を探しに来たのだ いくら探しても…

「君は将来、何になりたいんだい?」 「死体」 「そんな夢のない事言っちゃいけないよ」 「夢のない?こんな夢に溢れた物はないだろう? 誰にでもなれて、夢を見続けられるんだ」

砂の吸引

私は砂に成ろうと座っていた 私は朽ちて果てて砂になった 気づけば風は砂になった私を Let it beを口ずさみながら運び 気づけば私は人間の成りをしている 人間は何処まで行っても砂に成れない 私は壊れかけても運ばれた先で 人が直してくれるお陰で人間なの…

腐り逝く部屋

脳味噌を掘り起こせば思わしくない物ばかり出てくる あの頃の思い出、あの頃の思い出、あの頃の思い出 ここに新たに種を撒いて美しい花が咲くのだろうか? きっと腐り果てていくだけの芽が出るのだろう 私は蹲ったままの蛹なのだと思っていた だが実際には羽…