半畜の杖

私の見えない左の義眼は秋までは貴方でした
冬からは貴方が義眼になっています
ころころと血走りながら転がる元の目玉は
何処へ行ったのか今日も片目で探しています
まっすぐ歩けない私でも誰かの杖になりたい
図体だけでかい木偶の坊でも杖になれるのでしょうか?
疑問は深夜3時のブランコで放り出され
私の脳内で揺れ続けています
今日は貴女の眼を見れていないからきっと
私の眼は輝いていなかったのだろうと思います
だけど口からは貴女の輝きだけを貴方に吐きました
いくら輝かせようとも淀んだ光になってしまう汚れた口は
今すぐに縫い合わせて何も言えない様にしてしまいたい
それかジョン・レノンの様に歌いたいと
叶わぬ唖の夢を見ながら「あぁ、それでか…」と呟くのでした