ヒミズ

淋しい埼玉への電車は何人乗っていようとも
独りなのだと窓の外を見れば真っ赤な朝焼けだ
ビルに照り返す朝日の様に私を照らす物はあるのか?
電車の音はイヤフォンから流れる青春を履き違えた
インストゥルメンタルロックとセッションをしているのだ
私一人でも人生は楽しめるのだと勘違いもする
私はキチガイだから誰も好きになってはいけないはずだ
なのに私は貴女が大好きで堪らない、貴方方も好きで堪らない
輝きを見る事の出来ない蚯蚓の様に電車に引き伸ばされよう
私の下卑た心は小便をかけられて初めて輝くのだ
それが正解なのだとまだ来ない春に、まだ来ない朝に
まだ来ないのかと辛うじて見える眼を瞑り歩く道は
ただただ寒く私の問いかけにはNoと言いたいのだな、と
キチガイながらに察してしまったのだ