狂人総玉砕

緑色に光るトカゲの眼が私の真っ赤な左目を弄る
私もトカゲの眼差しになろうと必死なのだが
精々、下卑た狂人の目しか出来ずに
眠れぬ午前五時を狂人の思考で過ごしている
如何せん脳味噌から血液の流れる音が漏れ
あぁ、これは貴女の成分が足りてないのだと
ペンを取り貴女を描いて描いて描いたのが午前四時
午前四時のまどろみの時間は恐ろしく
一物を握り締め猿の遊びをしていても貴女が浮かぶのだ
私は貴女を汚してしまった事に恐々としているのに
貴女は私の脳味噌の中で静かに笑い続けるのだ
血液の流れる音、貴女の笑声、トカゲの鳴声が聞こえ
あぁ、これで朝が来るのかと安堵に浸るものの
眠れない私に朝はこないままきっと夜のままで
スーッとタバコの汚煙の様に掻き消されていくのだ
貴女の中でも貴方の中でも私の中でも
身支度を整えた私はいつでも戦地に向かう準備は出来ている
ただ、ありがとうをいう勇気が無いだけなのだ