僕は御器齧です

真っ暗な私に黒い髪と白い歯が光る
私は幸せだ
腹痛に苛まれる明け方に
腹痛で死ぬくらいなら貴女に噛み殺されたいと
人差し指を舐めながら朝が来そうなのだ
たとえ童貞とキスをしようとも
誰から蔑まれようとも
貴女に噛み千切られそうになった時
私は既に死んでいるのだ
浮き足立つ台所に渋谷の街が映るが
私は意気地がないのだなと腹痛に蹲り
貴女のカルシウムになりたいと切に願うのだった