カラスのハート

三匹のカラスがこの寒空の下鳴いています
何を求めて鳴いているのかは薄学な私には解りません
ただ「カァカァ」という今にも空中に溶け出しそうな声が
私の頭上三メートルを秒速二センチメートルで通り過ぎ
阿呆なのは私なのだと私ですら涙を流すのです
これから続くのは何かと考えた時に思い浮かんだのは
ただひたすら泣きじゃくる私です
ただひたすら醜い私です
ニュースで流れてくる不慮の事故にすら涙する私です
私はカラスより弱いのだと
空中三メートルを秒速二センチメートルで飛んでいきます
はためかせる羽すらないというのに