二重拘束

私のこのイライラが何処から来るかと言えば
線路の向こう側にある自由の方角だ
決して目の前にある臙脂色の壁紙でもないし
後ろにあるサナトリウムの鉄格子の中でもない
汽車の轟音に掻き消される前に自由を見たい
だが私の足は既に薬禍で朽ち果てているし
自由を手に入れた所でテレヴィジョンの神様は
決して私には微笑まないだろうと
キャプテンストライダムに火を放つのでした