アギャパー

私は狂人では無いと決め付ける夜明けだ
今日は背中から羽の生えた駱駝が生まれてくる
そして旭日旗を靡かせながら空へ空へと伸びていく
首の長い駱駝が二瘤か一瘤かも判らずに
BGMに流れる「ぷろぐれっしぶ・ろっく」を聞いている
虹は必ず右から出るというミスリード
涙は必ず瞳から出るというミスリード
私は最早、明き盲なのだと出ない涙を呑んでいる
テレヴィジョンの中では片端がホッケーをしているが
それは見世物小屋でしかなく貴方はそこから出れないのですよ
底の底すらいるのだなと鼻で貴方を嘲り笑ったのですが
笑い声は収まらず大爆笑の折に「あはは」の文字を分解してしまう
たった九画の文字群には私は含まれないと解った時
「私が狂っているのではない
 世界が狂わな過ぎるのだ」
とサイレン音が聞こえたので一錠の精神安定剤を流し込むのだった