独白

6時や3時45分に一刀両断される時間の儚さを
ひしひしと感じる事を余儀無くされています
私自身のモラトリアムが足りなくなっているのです
意図するべきはモラトリアムが終わると共に
人生が終わってしまうくらいが丁度いいのです
貴方の猶予時間と私の猶予時間には大きなブレがあり
片手落ちは必死でそれを埋める手立てはないのです
いつか二人で見た夢の島の風景はゴミ箱の中ですが
ぷくぷくと膨らんで今や本当はどんな姿だったのかも
一晩中夢うつつに考えてもわからず眠れぬ夜を過すのです
私は何になりたかったのかもう既にわからなくなっています
私の人生はコバンザメの如く卑しい人生でした
人の夢の食べカスを一緒になり追いかけていましたが
私にとってそれは寂しさを紛らわせる事でしかなく
「本当の自分は何になりたいか」等という
誰しもが一度は考える事など恐れ多くも考えたことがなく
常人より漠然としたヴィジョンの中で思っていた事は
狂人の暮らしが一番私の性にあっておりとにかく狂っていました
面白い事など何もなく儚む事なども何もなく
呆けつつ世界が終末に向かっていくのをただ黙って見つめていました
空中に侍らせた視線の先で何が起きようともただ黙っていました
何も失う物等は持ち合わせておらず不幸中の幸いだと思ったのですが
日々の暮らしの中で何かを得るには対価が必要であり
何も持ち合わせていない私は何も得ることができず
洟垂れ坊主だった頃から何も変わっていません
むしろ洟垂れ坊主の頃の方が何かを得て暮らしていたのではないかと
自己嫌悪らしい自己嫌悪を一丁前にしてみるものの
暖簾に腕押しの思想はいつもすぐ近くで果てるのです
今、私が拠り所にしている貴方に救ってもらわなければ私は廃人のまま
四半世紀にも満たない人生に自らピリオッドを打ってしまいそうで
怖くて怖くてたまらないのです
失うべきは何もないと開き直っていましたが命だけは最後の砦です
命を絶つのは怖くないのですが裏切りが怖く白昼夢に見るほどです
夢に唆され命を絶とうとした事は何度となくありました
それは恥ずべき事なのか誇るべき物なのかわかりませんが
貴方のくれた日々というものを自分自身のアイディンティティに
昇華させるべく私は生きなければなりません
私が死すべき時は踝を蚊に刺されたときです