2006-01-01から1年間の記事一覧

東京の空

東京には空が無いと言うが 人の心の中で空と言う物は 救いで在るが 空の無い都心部は熱中症の心配も無い 是もまた一つの救いで在る 明日、東京には貿易風が吹くだろう

尻の背徳感

尻の穴からガスを噴出する背徳感 悲しいかな今日だけで人生の半分の背徳感 尻は爛れて唐辛子粘液を捻り出す苦痛 ラアメンの匂いがした窓の外を 現実と非現実の境目に立ちながら ただ時間を経つのを待つ為だけに 便座カバーの温度を上げている 両手は宙に浮か…

地球と共に

知ったか振りをすると人生は終わっている 生まれた時から終っている それは人間なら誰しもがそうなのだ 生まれながらにして死んでいる 地球は自分が独りで居たい 人間は地球と共にありたい 生まれて初めて知る事は一人で居る事の怖さだからだ 怖さを克復する…

御器噛虫の空

この空は私に捉っては糞を垂れた子供の空だ 貴方に捉っては嘸かし純粋で初心な子供の空なのだろう 世の中には不相応という物がある 私には空は相応しくない 空を見上げるのを忘れ地びたを這いずり回る そう、御器噛虫の様な黒く汚い生活が相応しい 私に貴方…

ミュトス

既にボロボロになって仕舞った アイディアルな目覚めの瞬間を 金曜日は燃えるゴミの日だから 乞食のようにゴミを漁るように 残飯処理機や核融合炉のように いつまでも、燃やし続けるのだ それは私にとっての償いであり 教会の懺悔室で一年過ごす如く エキュ…

天上天下唯我独尊

昨夜、あの人の夢を覗いた 作為的な物ではなく偶然だったのだが いつも私が見る黒い夢ではなく 希望に満ち溢れた赤い夢だった 私は嫉ましく為り 其処に黒いペンキをぶち撒けるが如く 大声で泣くと、あの人は目が覚めたらしく 夢は途絶えた 気付くと私は一人…

見知らぬ世界

この世界に居たくない 然し私は見知らぬ世界で生きて行けるだろうか 如何せん、見知らぬ世界の情報は誰も見知らぬわけで 見知らぬ振りをされているだけなのかも知れないが 私は見知らぬ世界を米粒一粒分すら知らないのだ 然し世界は理論ではなく感覚で生きて…

塞翁が馬

目眩しを喰らった様な先の見えなさに慣れてしまった 昔ならばこの先には一体何が在るのだろうと不安になりつつ 蛞蝓の様な生活を送りながら日々を塵箱に捨てていた 今も蛞蝓の生活なのに変わりは無いのだが塵箱は 既に塵に埋もれ塵箱の態も成しておらず其処…

微温湯の意味

微温湯に浸かって此処は楽園だと言い張るのも青春であるのか 微温湯に絵の具を混ぜ此処は薔薇色だと言い張るのも青春であるのか 微温湯に原油を混ぜ此処は先進国であると言い張るのも青春であるのか 意味などない無意味に無意味の意味を問う事は青春ではない

理想と現実

目の前がキラキラして 道もまともに歩けない 信号機の色も 色キチガイの如く 厭らしく七色に光り 目の前の総てが 過去に自分が望んだ色に 為ってしまった 理想と現実は 相対する物であると 目の前の虹を眺めながら

夏になったあかつきは

今日はやたらと赤い日だった 赤くて暑くて汗が出た 気付くと梅雨も明けていた 気付くと僕は夏だった 赤くなったあかつきに 僕は連合赤軍に入るべきだ 奴らは人間じゃありません

動く

犬が一匹動いていた 生きているのでも 死んでいるのでもなく 動いていた 今日は胸が痛いので 貴方の事を思い出したくない

初老の紳士

何時もの如く生きていると 初老の紳士に話しかけられた 「貴方は死んでいるのと同然です」 それは稲妻のような衝撃だった しかし翌々考えてみれば 私の心臓はムソルグスキーの音楽のように 単調に動くだけであったので それは最早、回路でしかなく 回路は生…

真実への道

世界がもし僕に嘘をついているのだとしたら本当の世界は何処に在るのだろう。世界は僕が生まれてからまるで変わる様子もなく、目狂しく変わっていっている。僕は波に乗れないサーファーだ。波が何処から来るのかもわからず、砂浜を歩いては見切りをつけ、山…

梅毒の空

空の大きさの心を持ってしても 太陽の出るわけではない梅雨空に いつまでも執着してしまうのだ梅雨空の終着駅は夏の前日なのだ 心はいつまでも梅雨なのだ

私は病気なのか?

体に斑の出来物ができた訳でもない 喉がイガイガする訳でもない 細菌・・・? 持っていないといいが・・・ 寄生虫・・・? 脳に蛆が湧いたら誰が取り除いてくれるのだろう 虫下しは効くのだろうか 論点がずれてた 私の髪の毛は実は髭でしたというのも病気 私…

ドアの禁忌

頭の中の薄暗い廊下にドアがみえる 裸電球一個の明るさ コの字の行き止まり その正面、左右、上下にドアが見える そのドアはパタパタと開いたり閉じたりしている 中には何かの気配がする だが出てこない 何も出てこない そのうちにワッと溢れ出る様に何かが…

精神病院に入院していた

私は貴方が其処に存在していると言った 医者は言った 「貴女、キチガイだから入院しなよ」 私は嫌だと言った 「じゃあ医療保護入院だ」 法律は私を守ってくれたのか? 退院した今でも貴方は其処に存在している

MOON CAT

猫は月になりたかった それは叶わぬ夢であった 私は月だ だが猫にはなれない 世界とは公平にはできていない

食人嗜好愛

君は僕の事を愛してくれるのかい それはとても嬉しいよ じゃあ君の内臓を食べてもいいかい? 愛してくれるなら僕も全身全霊で返すよ 全身全霊を込めて君の腹を引き裂こうじゃないか 愛って言うのは虚無感の前触れだよ 君を食べてしまえば僕と一緒になった君…

生まれながらの死産

人生とは落下時間だ 産み落とされてから落ちて行き 底まで只、落ちるのが人生だ 時に風に吹かれ舞い上がる事もあろう 時に雨が降り濡れる事もあろう だが安心して落ちていきなさい 君が落ちる所まで落ちたら 君の死体を眺め笑ってあげるから 笑いながら私も…

PINK

多くの人が死んで逝き 大きな人も死んで逝く 春の麗は其処までやって来た いつもの如く世界をピンクにするのだ 私はこの季節になるとピンクの小人が 世界を陵駕すると思っている

死んでいます

僕が死んでいます それ以外の何者でもなくそれは僕です それ以外は何もなく僕の死体です 季節も風景も風も匂いも空気もありません ただ僕が死んでいるんです これ程までの恐怖と欺瞞に満ちたナンセンスは 貴女の笑顔と同等に狂おしいです 風に流されていくだ…

金色のライオン

あれは何だったのだろう 風の向こうに何かがいた 目で見たわけではないが 明らかに何かの気配がした 例えて言うならば 金色のライオンのような 神々しいオーラを 私は確かに感じたのだ それは同時に禍々しくもあり 私はこれが俗に言うカリスマだと 確信して…

鞦韆に乗りながら

前略母、父へ 齷齪と働く両親を見ながら私は幼心を震わせました 私が若年者の5歳の時でありました あの時はまだ空も青く在り、空気も透明でした だから私は理解出来なかったのかなぁと思います 私は若年者の20歳になりました 空は鈍色で空気は水の上の油の色…

リフレイン

「貴方は永遠を信じますか?」 聖書を反復するだけで脳に詰め込まないのは お前の脳が腐ってるからだと私は思うのです 貴方は仮にも聖職者なら常に神を拒みなさい そしてから尋ねなさい 神がいない永遠がどれだけ苦痛なのかを

ピロラグニア

タバコは煙を生み出す この煙に意味は在るのか 意味など無い 惰性の生産でしかない 社会は私を惰性の生産で生み出した 私に意味など無いのだ 私は禁忌の欠伸をした 布団がやけに遠い 今日は一日だけでいいんだ そんな金曜日の朝

なぜ人を殺してはいけないのか

これは人が一度は思う命題である。簡単な事に見えて非常に難しい事だ。 ここに私なりの解釈を述べておこうと思う私は”殺してはいけない”とは思わない。殺す事に関しては善し悪しは別として可だと思っている。責任を負えば人は人を殺してもいいと思っている。…

私は存在していたのだろうか そう考えると存在していなかったのかもしれない 私は無だったのだ!!と確信した刹那 体が砂のようなりに風に流されて行った 風に飛ばされながら私が無ならば風に飛ばされないだろう 存在すら無いのだからと思った 刹那、私がい…

寝ぼけ眼

私が私である証拠など何処にも無い。 今朝、目が覚めると私が私ではなくて何処かへ私を置き去りにしてきた。 そんな感覚に襲われた。 置き去りにされた私が居るならば、今ここに居る僕は誰なんだろうか。 と、不思議な感覚に襲われる午前7時。 まどろみの後…