シャッターチャンスは逃げていく

私の右側には何かあったのだろうかと考えれば
金色の大学生が立っていた覚えがある
その前には橙色の中学生も立っていたし
最近では眼鏡の芋が立っていた覚えもある
私から逃げていったのはそれだけではない
私は数多くの者を失い失い生きてきたのだが
武器を取られた兵士は生きながらえることが出来るのか
私の力とはずるさでありずるさを失い真正面から
ブツカリ稽古をしていっても倒れる大木は無く
私は貴女の笑い声を聞く自信がまったくないのだ
こうなれば半身不随の私に半身不随の貴方を寄り添わせ
ひとつの人間になりたいとそう考えたのだが
私は如何せん、貴方を好きになる自信はこれもまた
まったくといっていいほど無いのだ
私に自信などあった例がない
だから私はナチスドイツに亡命するのだ