幸福のススメ

先日の嵐で私の脳味噌は渡り鳥の様に
どこか遠く、恐らくはアボリジニ
踊る辺りへ流れていってしまった
脳味噌の無い私もセンシティブな感性だけは
持ち合わせていたようで一人バラライカを抱え
嵐の過ぎ去った満月の浜辺で聾唖者の様に
ぐわりぐわりと歌いながら踊ったのだ
それは音符が跳ねると言うよりも
自らの首を刎ねている様な自慰自殺の様だ
程なくして騒ぎを聞きつけた地元の
頭のおかしい、私から見たら頭のおかしい老人が
国の言いつけを守る事しか出来ない犬を呼んだようで
ワンワンワンワンと吠えてきたので祭りは終わり
私は犬の檻へと御用となったのだ
さて、ここで愛すべきは私だろうか貴方だろうか
それとも第三者であるラッシャー板前であろうか
世界はバラライカのリズムで溢れている