2012-01-01から1年間の記事一覧

お刺身にしてください

日付変更線にやってきた貴女を滅茶苦茶にしたい そんな欲望もきっと何処かに存在していたのかもしれません 綺麗事と世迷言に塗れた私は自分の気持ちに感嘆符を撃ち続けます いくら撃とうと届きもしない砲弾がアルコールで錆びていく 貴女が魚を嫌う様に私は…

ひよこの夢

私は今、ビルの三階に取り残されています 床にへばりつく私の前を時間だけが兵隊の足並みで過ぎ去り いつしかビルすらも足取り軽くどこかへ逝ってしまって 私だけが三階の空中にへばりつく様に 儚いカラーヒヨコの死に顔で眠ってしまうのでしょう ヒヨコです…

咲いた、裂いた

頭の中でまたキチガイ蝉がジイジイジイジイと鳴いています そうか、辿り着けない春が来たのかとニヤニヤ顔をマスクで隠し 視線の先は桜が満開で心中察した艶やかな遊女が私を冷たくあしらいます ここから去るのは何時にしようかと問いかけてくる蝉は 電車の…

さくらんぼの実る頃

桃の花が咲いてからもう一年以上になります あの花は萎んでどこか南の方へ飛んで行きました でも桃の花の残り香で眩暈がしてしょうがないのです 近くには蜜柑の花も咲いています 栗の花も満開になっています でもまだ近くに桃の花が咲いているような気がして…

春を拒む

春だと言うのか桃の花が咲きました 私は桃の花をずっと見つめていました 桃の花はいつしか受粉をして実を結びます それは私の雄蕊ではない どこか遠くの誰かの雄蕊 どこか近くの誰かの雄蕊 雌蕊を見ることも出来ずにただ花を見つめる私です 私は嫌われて生き…

カエルの為に鐘がなる?

あの娘とヘビが淫靡に絡み付いて脳内を離れません この娘の匂いも鼻孔に絡み付いて出ていく気配もないのです あの娘はヘビにピアスを3つあけました この娘は指輪を3つそっと外しました 斜めに走った平行線の真ん中を走る思惑は マンハッタンでもグランドキ…

犬の約束

僕は一匹の犬でした 温かい家で厳しく躾けられて温かい家なのにもう嫌になっていました すると小さいけど寒い家の人が僕を大事に育ててくれるというので 友達も主人も全部捨てて寒い家に行きました 寒い家では主人が僕に絵の描き方やバレエの振り付けを教え…