ひよこの夢

私は今、ビルの三階に取り残されています
床にへばりつく私の前を時間だけが兵隊の足並みで過ぎ去り
いつしかビルすらも足取り軽くどこかへ逝ってしまって
私だけが三階の空中にへばりつく様に
儚いカラーヒヨコの死に顔で眠ってしまうのでしょう
ヒヨコですら飛べるとは乙なモノだと
私はここで楽しくやっているのだから
貴女はどこででも楽しくやっておくれ
私は独りでいい
空中に投げ出されればいい
人間死ぬ時は独りなのだ
独りになりたい
独りになりたい
そんな思いとは裏腹に脳味噌は無慈悲に貴女を映すのでした