春を拒む

春だと言うのか桃の花が咲きました
私は桃の花をずっと見つめていました
桃の花はいつしか受粉をして実を結びます
それは私の雄蕊ではない
どこか遠くの誰かの雄蕊
どこか近くの誰かの雄蕊
雌蕊を見ることも出来ずにただ花を見つめる私です
私は嫌われて生きていきたい
私が嫌われる事は怖くない
だけど私の想いが嫌われる事は怖くてしょうがないのです
だから桃の木に卑語を投げつけ醜態を晒し
私の想い等、届かぬよう届かぬよう
ただ、実が結ばれていくのを変態の眼差しで見つめる私こそ
脳味噌に花を咲かした三国一の呆け者なのでしょう