2009-12-08 女神のキッス 祖父の形見の羅針盤をそっと汚れた手で撫でる朝 いつの間にか私の右手は自慰専用機と化し 通常の三倍の速度で逝ってしまうとは情けない 私の胸の中には未来はまったくない 代わりに蛆虫の様なご飯粒が張り付いていて セクシーな胸元を強調するたびにお腹が空くのだ 全力疾走の朝方はいつまでも続き 太陽は過呼吸発作を起こしてのた打ち回るのだ 甘いコロンと火薬の匂いが漂ってくるのは 近くにギンギラと目を光らせたタスマニアデビルがいるのだ 時間が迫る中でもタイピングの指は止まらない 私は生きる為に必死なのではない、死に逝く為に必死なのだ