ガラムマサラ

ビデオテープを切り刻んでいるのは私だけだった
開いたドアの向こうにはアスファルトの塊がポツンと在り
人間らしい人間のいない客席を見ながら踊る事になるのかと
神様を蔑ろにしている二人のチェリーボーイに花束をと
薄っすら考えている私こそ孤独なのだと孤独の喘ぎに埋もれている
魔法使いのお姉さんが夢の中で私を呼んでいたのだが
貴方方を差し置いてそちらの世界に逃げたいと切に願っている
自分自身の暇潰しだと思っていたのだがこれは神様の暇潰しだ
物語がここから始まるのかここで終わるのかはきっと
般若心経を唱えながら心を鬼にして貴方方を殺せば解るはず
殺されたくなければ一人は死んでもう一人は殺されてください