便所蟋蟀は飽食状態

臙脂色をした心臓を爪弾く午後は下痢気味だ
過去の思い出を洗わんとするも
流しても流しても水は黄土色に変わる
臍の緒を共に切った者は虚構に迷った
その血が今でも流れて逝くのだろう
しかし何時までも蛆虫の暮らしに漬かっていては
心身ともに乾燥脱脂綿となる
脳を切り替え私はバランスを崩さぬように
竹馬の友との新しい初夜に向け隠語を呟くのである
破瓜の血はどの様に響くのか今から不安で一杯だが
包皮は既に剥けている所を見るとやはり下痢は止まらないだろう