私は私が大好きです

高田馬場を自転車で走っていた時です
急に雨が降り出して私の顔は濡れて力が出なくなりました
と言っても私の顔にしか雨が降っていないのは何故でしょう
きっと貴女との相合傘の散歩を思い出していたから
そこにだけ雨が降ったのだと思います
遠くへ行ってしまった貴女は逝ってしまったのです
だから私の邪魔をしないでください
巣食った脳味噌から早く出ていってください
涙でびしょ濡れになりながら
そして新しい想いを疑いながらも
赤いおべべのあの娘に教えてもらったお酒が
また、一粒の涙に成り果ててしまうのです
嗚咽を肴に酒のすすむ夜
夜だというのに脳味噌に躑躅が咲いています
心の中では夏を数える歌が響き渡ります
だというのに一人ぼっちだというのです
そんな歪な私はきっと誰にも愛されないのでしょう
そんな歪な私は私自身を愛するしかないのでしょう