虚仮孤恋

半透明の夜明けがうろ覚えの夢と共に
みるみると形を成していく時間帯に
蕩けそうな目でいつの日の事かを思い出しています
半年も経つのに私の心は羽ばたきもせず
ずっとあのビルの中で羽を休めています
夢の中で私が欲した貴女の缶バッチ
胸に携えたいと思った貴女の缶バッチ
それさえあれば私は誰だってグーで殴れるのです
決して私は弱くないのだと一夜限りの夢に
何をそんな確証が抱けることがあるのでしょう
気色悪い私よ、灰になれ
気色悪き想いよ、塵となれ
気づけば私は一匹のホロホロ鳥でした
貴女の食卓にはきっと上らないでの屠殺です
でも、きっとそれでいいのですと嘯く私こそ
何にもなれない一匹の雛なのでしょう