夢晴映画

夢を見ました
何一つの音が無くなってしまった水平線を
一本の電車が海水を掻き分けながら走っているのです
周りには何一つない綺麗な綺麗な夏の日の昼下がり
まだ日も落ちきらない中途半端な時間に溜息が流れていました
私は気づくとその電車の中に一人座っていました
ガタンゴトンという響きに連られて吊革が揺れています
誰もいない電車の中、キキィと電車が止まります
ドアが開き貴女が乗ってきました
私は驚いた顔で見ていたのですが貴女は気づかず
少し離れた席に座り窓の外を見つめていました
電車が走り出します
昼下がりの日差しがとても気持ちのいい時間です
貴女は居眠りを始めました
安らかな顔を見つめながら僕はこの電車が
いつまでもいつまでも水平線を走っていればいいのにと
溜息をつきそっと目を瞑り幸せの居眠りに
貴女という至福の時間に抱かれながら就くのでした
いつか電車が貴女の所まで着くように祈りながら