絡みつく鉄線

吐瀉物が水流に飲まれ渦を巻いて流されていく
その中にはまた貴女はいないと安堵と危惧の渦を作る
吐き出せど吐き出せど心は吐き出せない
捨ててしまいたい想いを持ち続けるのは
貴女を脳味噌に縫い付けているからだ
私は下衆で女々しい黄金蜘蛛だ
糸に絡まりモラトリアムを気取っている
吐き出す事しか能のない害虫なのだ
私は鋏を持っていない
誰かが鋏をくれる事を願っている
絡まる貴女を救える事を願っている
心を斬り裂きたい
私を斬り裂きたい
心の琴線を奏でるピアノ線は止む事はない
心の中にヴァイオリンが響く日が来るのを信じれないまま
今日も一人ショパンのリズムで啜り泣くのだった