崖で踊る

何度となく死のうと思ったことはあった
心が揺れて何時も落ちそうな崖の際にいた
落ちかけても落ちかけても私は生きていた
悔しいくらいに元気で憎らしく健康体の
木偶の坊が崖の際から離れようとしなかった
皆は何故に私の手を取り引っ張るのか
皆は何故に私なんかに生きて欲しいと思うのか
生きていきたいと呟かせたのは誰なんだ?
蚊の鳴くような声で歌わせたのは誰なんだ?
私の見ている汚くて汚くて美しい世界
何度となく壊れてしまえと思った世界
ついに私の中に黴が生えてきた
私も誰かのペニシリンになりたいと
叶わぬ夢見る場所は崖から程遠くなっていた