傘の行方

雨の音がしとしとぴっちゃんしとぴっちゃんと
脳髄を殴打するので睡眠時間は3分だけだ
日々を流れる電流が日々増していて
オートメイションされた世界に貴女は必要ないと
本質を見失った事を宜う私はのた打ち回ればいい
そして物音のしない体を震わせていれば
世界中の人が「君の弱視の眼は綺麗だね」と
心にもないお世辞をマシンガントークしてくれると
何処にもない街で思っている日々
あぁ、こんなにも声がするのに周りには誰もいない
今日は静かだなと思った時には周りには誰もいない
ただ水滴の落ちる音だけが頭蓋骨に響くのだ